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October 2006

2006.10.31

奥日光 小田代ヶ原

20061029okuniko_046_1  小田代ヶ原のカラマツ林の黄葉を期待したのですが、ちょっと遅かったかな~。全体的に渋くなっていました。それでもこの輝きは、どこかに神々しささえ感じられます。そして、秋から冬への移ろいに「侘寂」や「ものの哀れ」を感じてしまいます。

20061029okuniko_043  小田代ヶ原は何度言っても飽きることがありません。毎回必ず違う姿で出迎えてくれます。本当に素晴らしい所です。しかし、逆に考えると本当にいい時期にはなかなか巡り会えないんですよ、これが!

20061029okuniko_056  ちなみに「わび」とは簡素さに徹した美しさをめざすもの、「さび」とは寂寥を美に高めるものだそうです。そういえば、誰かが「最近人生の秋を感じます・・・・・。」と言っているのを耳にしました。

■参考までに・・・・・
 10月8日の小田代ヶ原の様子はこちらから

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2006.10.30

奥日光 西ノ湖

20061029okuniko_025  末枯れの千手ヶ原を進むと、ミズナラの森からカラマツの森へと変化します。すると、それまでの侘びしい雰囲気から一転して、あたりが神々しい色合いに包まれます。さらに進むと、柳沢川に架かる赤い吊り橋へと出ます。その吊り橋を西へ渡ると、ミズナラやハルニレ、カツラ(近づくと甘い香りがする)などの巨木林があらわれます。そして、その奥に、西ノ湖はひっそりと佇んでいるのです。訪れる人も少なく、まさに神秘の湖です。

20061029okuniko_024  西ノ湖は、その昔中禅寺湖の一部であったものが、複数の理由で切り離されて現在の形になったといわれている、遺留湖です。水位変動が激しく、湖畔には水に強いヤチダモの林が形成されています。
 湖を一周することはできませんが、向かって右手に対岸へ続く道があります。対岸はほとんど訪れる人もなく、シカやサル・クマなどの獣の気配を強く感じることができます。

20061029okuniko_018  さらにその路を奥へ進むと、ストローブ松の林(でっかいマツボックリがとれる)を抜け、「かくれ滝」へと向かうことができます。

20061029okuniko_028  神秘的な静寂さに癒されたら、今度は来た路を戻ることになりますが、赤い吊り橋を渡ったら、そのまま東へ直進します。すると、両側にカラマツの木々が並び立った路となります。ちょうどこの時期、このカラマツ林が黄葉し、みごとなまでに輝いています。路の上にはカラマツの落葉(針のような葉)で、一面黄金色のカーペットが敷かれているようです。隊長のお気に入りです。

画像上から
 ■西ノ湖入口にある巨木林
 ■西ノ湖
 ■まだ残っていた紅葉
 ■黄金色に輝くカラマツ並木

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2006.10.29

奥日光 千手ヶ原

20061029okuniko_004  奥日光で紅葉の最後のステージをかざる黄金色に輝くカラマツの黄葉を見物に、今回も赤沼駐車場に車を停め、まだ夜の明けぬ早朝、千手ヶ浜へと向かいました。
 千手ヶ浜に着く頃には周囲も明るくなり出すのですが、薄明かりの中浮かび上がる中禅寺湖の景色がひときわ印象的でした。

20061029okuniko_009  もう千手ヶ浜一帯には秋気は感じられず、色も風も冷気もすべてが身にしみます。ひし枯れた風景のなか、ただシカの鳴くこえだけがもの寂しげに響いていました。ちょうどシカは繁殖期のピークを迎えているようで、繁殖期特有の長く響く声だけでなく、あちこちで身体に泥をすりつけた跡(ぬた場)を見ることができました。

20061029okuniko_014  千手ヶ浜から西ノ湖に続く、外山沢川と柳沢川に挟まれた樹林帯「千手ヶ原」も、落葉広葉樹(主にミズナラなど)はすべて落葉しており、末枯れた寂しい雰囲気でした。そんな中、久しぶりに「山神様」の祠に立ち寄り、お参りしてきました。
20061029okuniko_012  今では誰も住んでいない千手の森で、いつ・誰がお祀りしたのかわかりませんが、祠だけでなく、山神様の近くには炭焼き窯の跡も残っています。その昔山で生きていた人たちの営みの跡なのでしょう。どのような人たちが生きていたのかとても興味深いものがあります。

■参考までに・・・・・
 10月8日の千手ヶ原の様子はこちらから

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2006.10.19

奥白根から 冬の便り

20061015sirane_049 自宅周辺では、まだ本格的な紅葉シーズンすら迎えていないのに、日光白根山から一足早い冬の便りが届きました。10月9日に初冠雪、その名残があちこちに見られます。
 まず雪です。

20061015sirane_017  霜柱です。
 日陰のトレイルでは、いたる所で霜柱がたっていました。ザクザクという音が心地よく響きます。

20061015sirane_026  凍っています。右の画像は弥陀ヶ池でのものです。五色沼も沼畔は凍っていました。

20061015sirane_081  地中から湧き出る水が凍って、ツララになっています。

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2006.10.18

弥陀ヶ池(奥白根山)

20061015sirane_019  菅沼登山口(菅沼茶屋の隣)から見通しのきかないつづら折りの急坂を1時間半ほど登ると、突然目の前に弥陀ヶ池と奥白根の雄姿が飛び込んできます。

20061015sirane_027    霜が降り、凍り付いた池畔沿いの白く滑りやすい木道を進むと、白根山の山肌に枯死したダケカンバの姿が・・・・・。
 この弥陀ヶ池の木道沿いの西側斜面は、かつてシラネアオイの群生地で6月にはピンク色の可憐な花が楽しめたのですが、シカの食害によって今は激減し保護柵の中でしか見ることができなくなっています。

20061015sirane_022 とても小さく、無機質な水をたたえている池ですが、ひっそりとした池面に奥白根の岩峰を映しだし、小休止するにはいい場所だと思います。

20061015sirane_037  この池は、奥白根の山上から見たほうが、より美しく見えるような気がします。

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2006.10.17

五色沼(奥白根山)

20061015sirane_065_2  五色山、前白根山、そして奥白根山に囲まれ、汗を流した者のみがその姿を見ることのできる神秘的な沼、それが標高2170メートルにある五色沼です。

20061015sirane_092_1  10月15日、奥白根山山頂から前白根方面へ下り、五色沼避難小屋を経て、五色沼を訪ねました。沼面は鏡のように凪いでおり、さかさ奥白根を見ることができました。ほとんど訪れる人もなく、実に静かな別天地です。

20061015sirane_104  そんな大きな沼ではないので、一周してみました。ちょっと断っておきますが、一周する道はありません。獣道を借用しての五色沼周遊です!途中でカモシカorシカの頭骨を見つけました。

20061015sirane_091  9時頃ということもあって、霜柱の立つ沼畔には氷がはっており、周囲の木々や草々は、水蒸気が枝葉に凍り付いて、樹氷のようになっていました。(霧氷でしょうか?)

20061015sirane_110  静かな沼畔に、奥白根をバックにした落葉したダケカンバと、数本のカラマツが黄金色に輝いている景色が、ただただ印象的な沼でした。

20061015sirane_102_1  いい所です!

 

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2006.10.16

日光白根山(奥白根山)

20061015sirane_059  10月15日(日) じつに1年ぶりで、奥白根山(標高2578メートル、以北最高峰)へ登ってきました。今回は、菅沼→弥陀ヶ池→奥白根→五色沼→弥陀ヶ池→菅沼のコースです。残念ながら紅葉の時期は過ぎていましたが、静かな山頂からの360度の大パノラマを満喫することができました。ちなみに右の写真で口にくわえているのは“雪”で~す(10月9日初冠雪時の残雪です)。

 弥陀ヶ池や五色沼の様子は後で紹介するとして、まずは、山頂からの好展望をお届けします。

20061015sirane_065 ■山頂東側の展望
 五色沼を囲むように五色山(標高2379メートル)、前白根山(標高2373メートル)が連なり、その奥に日光連山を見ることができます。

20061015sirane_066■山頂南東側の展望
 中禅寺湖を囲んで、左に男体山、右に社山や半月山などの山々を見ることができます。

20061015sirane_053 ■山頂北側(福島県側)の展望
 尾瀬の燧ヶ岳(標高2356メートル)がとても印象的にそびえています。その右手には、山頂が平坦な湿原となっている田代山(標高1971メートル)や、その奥になだらかな山容の会津駒ヶ岳(標高2132メートル)がみてとれます。手前にみえる湖は菅沼です。

20061015sirane_063 ■山頂南西側(群馬県側)の展望
 左に皇海山(標高2144メートル)が、その奥に雲海の上にポッコリ頭を出しているのが富士山です。中央奥は赤城山?だと思います。

 朝の5:50に菅沼登山口を登りだして、奥白根の頂上に着いたのが8:10でした。写真を撮りながらゆっくり登って2時間半というところでしょうか。最後に付け加えますが、とにかく寒いです。霜柱・氷・雪・ツララと四拍子そろっていましたヨ。
 

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2006.10.15

2006奥日光の紅葉レポート(10月15日)

20061015sirane_113  2006年10月15日(日) 早朝5:00、戦場ヶ原で、車の外気温計は0℃を示していました。夜半から早朝にかけてだいぶ冷え込むようになりましたので、お出かけの際は服装にご注意を。

20061015sirane_119
 さっそく10月15日現在の奥日光の紅葉の状況を報告します。
 ■白根山・弥陀ヶ池・五色沼一帯    ほぼ終わり
 ■菅沼・金精峠       ピークです!豪華絢爛です!
 ■湯元            ピークです!豪華絢爛です!
 ■戦場ヶ原一帯      草紅葉はピーク過ぎ。広葉樹がピーク!カラマツの黄葉もはじまっていました。
 ■赤沼のミズナラ林    渋くなり落葉しています
 ■中禅寺湖畔        ほどよく色づいてきました。見頃まであと少し。
 ■いろは坂          色づきはじめました。 

20061015sirane_122  来週末は、おそらく中禅寺湖畔が見頃を迎えていると思います(あくまで予想です)。

 車の渋滞ですが、昼12時頃、中禅寺湖温泉街から竜頭の滝入口までずっと渋滞でした。特に竜頭の滝周辺がひどかった。いろは坂の登り口は動いていた。ちなみに各駐車場はどこも満車。中禅寺湖温泉街の裏にある市営駐車場も満車でした。下り(帰路)は同時刻、特に問題ありませんでした。 

20061015sirane_109  画像上から
 ■菅沼周辺
 ■金精峠
 ■金精峠
 ■五色沼から奥白根             

 

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2006.10.12

奥日光フィッシュウオッチング-遡上するマス-

20061008okunikou_033  奥日光で紅葉の便りが聞かれるようになると、川や湖では、ヒメマス・ホンマス・ブラウントラウト・ニジマスなどのマス類の泳ぐ姿や、産卵行動が観察できるようになります。

20061008okunikou_035  ◎フィッシュウオッチングをするためには
  ■まずは遠くから魚の姿を見つける
  ■魚を見つけたら、姿勢をできるだけ低くし、魚の後ろからゆっくりと近づく
   (自分の影さえも水面に落とさない慎重さが必要)
  ■観察できる距離に近づけたら、あとは静かに動かないこと

20061008okunikou_038  ◎してはいけないことは
  ■産卵行動中の魚の邪魔をしない
  ■水の中に入らない(産卵床が壊れます・タマゴがつぶれます)
  ■怪しげな行動をとらない
   (すぐに警察や漁協関係者に通報されます)

20061008okunikou_041  魚の姿を見ると、それもなかなかお目にかかれないような立派な魚を見ると、釣り師としての本能が働き(フライフィッシャーです)、捕ってしまいたくなるものですが、そこはグッとこらえましょう。この時期、奥日光すべての水域は禁漁です!!

 最後に、自戒の意味もこめて「物食う魚」という昔話を紹介しておきます。

 ある男が山奥へ釣りに行く途中で一人の子どもと出会いました。子どもは「この川の奥には川の主がいるから釣りはやめた方がいい」としきりに釣りを止めさせようとします。しばらく子どもと一緒に過ごし、持参した弁当を食べさせたりしたのですが、どうしても釣りをあきらめきれず、子どもと別れて上流へ向かいます。そして川の主と思われる大きな魚を釣り上げるのですが、その腹を裂いて腹わたを出そうとすると、中から先ほど子どもに与えた弁当が出てくる、という話です。

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2006.10.11

奥日光の紅葉-2006年の見頃-

 奥日光の紅葉の様子を4回にわたって紹介しましたが、最後に奥日光の紅葉についてまとめてみます。

 例年、奥日光の紅葉は9月下旬 戦場ヶ原や小田代ヶ原の草紅葉でスタートします。そして、10月上旬 竜頭の滝から赤沼にかけてのミズナラ林、戦場ヶ原や小田代ヶ原のシラカンバやミズナラが紅葉し、本格的なシーズンをむかえます。

 10月中旬になると、千手が浜から西ノ湖にかけてのブナやカエデ類が見頃をむかえ、10月下旬 広葉樹の紅葉が終わり、葉が散りかけるころ、奥日光のあちこちでカラマツが黄金色に輝き出します。

 奥日光の紅葉のめやすの時期を次ぎに記します(あくまでめやすです)。
 ■湯 元         10月上旬~中旬
 ■戦 場 ヶ 原     10月上旬~下旬
 ■小 田 代 ヶ 原  10月上旬~11月上旬
 ■竜 頭 の 滝    10月上旬~中旬
 ■千手が浜・西ノ湖   10月中旬~11月上旬
 ■中 禅 寺 湖    10月中旬~11月上旬

 ところで、美しい紅葉となるためには、9月から10月にかけて、日中晴天に恵まれ暖かく、夜冷え込むという天候が続くことが条件だということです。逆に、天候不順が続いたり、大きな台風が来たりするような年は、紅葉が期待できないとのことです。

 ということは、10月6日~8日にかけて猛威をふるった暴風雨は、どのような影響を与えるのでしょうか。シラカンバやミズナラの枝葉がだいぶ落ちてしまっているのが心配です。今年の紅葉は期待していたのに・・・・・。

 最後に、奥日光の紅葉を気持ちよく楽しみたいのなら、早めの行動をお薦めします。駐車場に車を停められなかったり、渋滞でちっとも前に進まないなどの痛い目(紅葉時期の奥日光の渋滞は天下一です)にあわないためには、遅くともお昼までには帰路につく必要がありますよ。

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2006.10.10

奥日光の紅葉④(竜頭の滝と滝上のミズナラ林)

20061008okunikou_130  10月8日(日)、戦場ヶ原から竜頭の滝へと足を伸ばしてみました。竜頭の滝は確かに紅葉が美しかったです。しかし、観瀑台は観光客でごったがえし、静けさの中紅葉を楽しむことができず、すぐに退散しました。

20061008okunikou_125  竜頭の滝は、湯元と並んで、奥日光でいち早く紅葉のスタートする場所です。当然、その年の紅葉をうらなう指標になっており、マスコミ等でも取りあげられるため、多くの観光客をおしよせます。

20061008okunikou_117  竜頭の滝上から赤沼周辺に広がっているミズナラ林の黄葉のほうが雰囲気抜群で良かったです。本当に不思議なもので、なぜほとんどの人は竜頭の滝だけで満足してしまうのでしょうか?

20061008okunikou_121 竜頭の滝上から赤沼にかけてのミズナラ林(車道からも良く見えます)は、例年10月上旬が黄葉の見頃です。特に湯川沿いの景観に素晴らしいものがあります。

 ちょうど今の時期が見頃で、あと1週間もすれば色が渋くなり、落葉しだします。

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2006.10.09

奥日光の紅葉③(戦場ヶ原)

20061008okunikou_106  10月8日(日)現在、奥日光戦場ヶ原の草紅葉・ミズナラの紅葉が見頃を迎えています。

20061008okunikou_104  ズミの紅葉は盛りを過ぎ、今一番美しいのが草紅葉ではないでしょうか。その時の天候にも左右されますが、早朝、朝露でぬれた状態に陽の光がさすと、一面がきらきらとまぶしいぐらいに輝きます。

20061008okunikou_102 湯川沿いでは、黄金色の輝きの中にホサキシモツケの深紅が目立っています。

20061008okunikou_092  戦場ヶ原周辺のミズナラの紅葉もはじまっており、草紅葉とあいまって美しい景観をつくりだしています。

 戦場ヶ原の紅葉を満喫したいなら、湯滝下から竜頭の滝までの、湯川沿いのコース。ゆっくり歩いて2時間以上かかり、まあ人も多いコースですが、湯川沿いのカエデ類の紅葉と、ミズナラ林の黄葉、そしてホサキシモツケなどの草紅葉と、いろいろなパターンの紅葉が楽しめます。

 画像上から■戦場ヶ原から前白根を望む
        ■戦場ヶ原から男体山を望む
        ■湯川沿いのホサキシモツケの草紅葉
        ■ミズナラ林の黄葉

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奥日光の紅葉②(小田代ヶ原)

20061008okunikou_059  10月8日(日)現在、奥日光 小田代ヶ原の草紅葉・ミズナラの紅葉が見頃を迎えています。

20061008okunikou_067  小田代ヶ原の草紅葉は、ホサキシモツケをはじめ多くの種類の植物が入り交じり、モザイク状の色彩が特徴です。
 鬼怒沼や尾瀬ヶ原などの一面黄金色とは雰囲気を異にします。

20061008okunikou_085  また、周辺のミズナラも紅葉がすすみ、黄葉が目立っています。残念ながらシラカバの葉はここ数日の暴風のためほとんどが散っていました。

20061008okunikou_074 これから草紅葉は渋みを増し、茶と黒のモノトーンの色彩へと変化し、ミズナラも葉を落としてしまいますが、10月下旬から11月上旬には、周辺のカラマツ林が紅葉をむかえ、黄金色へと変化します。

 小田代ヶ原へは車で行くことはできません。竜頭の滝上か赤沼の駐車場に車を停め歩いて1時間です。赤沼からはハイブリッドバスも運行(運行表はこちらから)されています。

 小田代ヶ原の紅葉は例年11月上旬まで楽しむことができますよ。

 

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2006.10.08

奥日光の紅葉①(千手ヶ浜から西ノ湖へ)

20061008okunikou_003   激しい風と横なぐりの雨という最悪の天候の中、10月8日(日)夜まだ明けぬ午前4時、戦場ヶ原の入口、低公害ハイブリットバスの発着所となっている赤沼駐車場に車を停めました。すでに、駐車場は三分の二がうまっています(例年紅葉の時期は、朝の6時頃には満車になってしまいます)。

20061008okunikou_005 夜が明け、周囲の景色が見えるようになっても激しい風雨は一向に止む気配がなく、やむを得ず赤沼発5:30のハイブリットバス(300円です)に乗り込み、一路千手ヶ浜を目指しました。千手ヶ浜から西ノ湖、小田代ヶ原、戦場ヶ原、そして龍頭の滝の10㎞程を歩く計画です。

20061008okunikou_006 午前6時、千手ヶ浜に着いてみると、所々色づいている木はあるものの、本格的な紅葉はまだまだこれからといったところです。千手ヶ浜周辺の紅葉が見頃を迎えるにはまだ少し時間がかかりそうです。

20061008okunikou_023  中禅寺湖畔から、千手ヶ原を抜けて、西ノ湖を目指しましたが、千手ヶ原も西ノ湖もやはり紅葉ははじまったばかりで、見頃はこれからです。

20061008okunikou_013    ただ一つ心配なのは、ここ数日続いている暴風雨のため、多くの枝葉が落ちてしまっていることです。中には倒れたり、折れたりしている木々もあり、千手ヶ原周辺は荒れていました。これからの紅葉に影響が出そうです。
 「風が強いときは山へ入るな」という古人の箴言がありますが、結城倶楽部隊長、この言葉をしみじみと実感しました。強風のため折れた枝や梢が、すごい勢いで頭上から飛んでくるんです。中には地面に突き刺さる枝木もありました。

 画像上から□低公害ハイブリットバスで千手ヶ浜バス停へ
        □千手ヶ浜からの中禅寺湖の眺望
        □千手ヶ浜、中禅寺湖畔の紅葉
        □西ノ湖入口の原始の姿をとどめる森
        □風に飛ばされ地面に突き刺さった枝

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2006.10.04

奥鬼怒温泉郷 日光沢温泉

20061001kinunuma_021 女夫淵から歩くこと2時間程度、奥鬼怒温泉郷最奥部の鬼怒川と日光沢が合流する標高1400メートルに位置する日光沢温泉は、一切無駄なものを排除した(何もない)無垢で素朴な山の温泉宿です。

20061001kinunuma_024  赤いトタン屋根が印象的な2階建ての建物は、山小屋の雰囲気に包まれ、廊下などあちこちがぴかぴかに黒光りしている渋みのある建物です。
 部屋はというと、これも渋く、テレビもなければカギもありません。隣部屋とは板襖一枚のみ。もちろん携帯電話をかけたくても圏外です。

20061001kinunuma_025  源泉かけ流しの温泉は、泉質こそ不明ながら、湯の色が無色の時もあれば、青みがかったり、白濁したりと、その日の天候によって変化するそうです。男女の内湯一つと、泉質の異なる(?)露天が二つ、そのうち一つには女性専用時間帯が設けられています。もちろん、石鹸やシャンプーなどはありません。シャワーもありません。ただ、素晴らしいお湯があるだけです。

20061001kinunuma_022  この日光沢温泉は、鬼怒沼や丸沼などへの登山口となっており、今でも利用者の多くは登山者です。裏手には日光沢神社が祀られています。

 何もないことに耐えられる自然をこよなく愛する人におすすめの温泉宿です。

 画像は上から、本館入口・全景・日光沢神社・登山口です。

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2006.10.03

奥鬼怒温泉郷 加仁湯

20061001kinunuma_016  昔から、「岳人小屋蟹湯」の名称で多くの登山者や釣り人に親しまれてきた加仁湯は、前号紹介の八丁の湯からさらに奥へ歩くこと数分、鬼怒川源流部の河畔に建っています。

20061001kinunuma_018  その湯は、源泉かけ流しの硫黄泉で、白濁したにごり湯として有名です。男女の内湯の他に、露天風呂が3つ、女湯の露天風呂が1つ、貸切露天風呂が3つあり、本館玄関前には立派な足湯もつくられています。足湯は無料で利用でき、登山の疲れを癒すのに最適です。

20061001kinunuma_017  建物は、4階建ての本館が有名で、よくメディアでとりあげられています。また、岳人小屋と呼ばれていた当時の建物が「長久記念館」として保存されており、相撲の春日野部屋の合宿所にもなっています。

 観光で奥鬼怒にくるのであれば加仁湯がいいのではないでしょうか。
 詳細は加仁湯のホームページをご覧下さい。

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2006.10.02

奥鬼怒温泉郷 八丁の湯

20061001kinunuma_014  鬼怒沼湿原へ行ったついでに、奥鬼怒温泉郷の八丁の湯へ立ち寄りました。

 女夫淵の駐車場に車を停め、歩くこと1時間半程度で、八丁の湯へ到着します。(送迎バスがあるのですが、せっかくですから鬼怒川源流部の自然を堪能しながら、ゆっくりと歩くことをおすすめします。)

 その昔、山師たちが仕事の合間に利用していた風呂を、昭和4年に、客室4部屋、男女の内風呂と野天風呂(露天風呂)1つを造り、開業したのが始まりだそうです。昭和63年まで電線が引かれていなかったため、灯りはすべてランプを使用していました。

20061001kinunuma_015  お湯は、男女の内風呂に、野天風呂は男女の滝見の湯と女湯の石楠花の湯、そして開業当時からの雪見の湯とそろっています。温泉はすべて源泉100%自然湧出のかけ流しで、無色透明の中性低張高温泉という単純泉で、お湯が柔らかく、身体への負担が少ないそうです。外には足湯も造られていました。

20061001kinunuma_080  建物は、ランプの明かりで夜を過ごしていた当時の風情を残す本館と、カナディアンログハウスの2種類になります。部屋の設備的にはログの方がいいのですが、秘湯の趣を求めるのであれが本館でしょうか。

 興味のある方は、八丁の湯のホームページブログをご覧下さい。
 画像は上から、「本館」「ログ」「足湯」になります。

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2006.10.01

鬼怒沼の草紅葉

 奥鬼怒温泉郷のさらに奥、栃木県と群馬県の県境に位置し、標高2000メートルを超える日本一高所の高層湿原として、また、大小47個(48個とも)の沼が散在し、鬼怒川の水源と言われている鬼怒沼を訪れた。

 20061001kinunuma_064

 女夫渕温泉の大駐車場に車を駐め(ここから先奥鬼怒スーパー林道は一般車通行禁止)、 比較的歩きやすい川沿いの遊歩道を1時間半ぐらい進むと、奥鬼怒温泉郷の入口八丁の湯に到着する。
 さらに10分程度で加仁湯へ、そしてその奥、日光沢温泉が現れる。

 奥鬼怒温泉郷の最奥、日光沢温泉

20061001kinunuma_021

 日光沢温泉を過ぎると本格的な登山道となる。2時間程度急坂を登りつめ、落葉樹と針葉樹の混じったなだらかな林を抜けると、突然眼前に鬼怒沼が出現する。
 女夫渕から距離にすると10キロ程度。

20061001kinunuma_059

 鬼怒沼には木道が整備されており、途中数カ所にベンチもある。ちょうど草紅葉が終盤を迎えていたが、木々の紅葉はまだまだこれからといったところ。
 今日は、雨こそ降られなかったものの濃い霧がかかり、白根山や燧ヶ岳など、周囲の眺望を堪能することができなかった。

20061001kinunuma_051
20061001kinunuma_058

 それにしても、山上の静けさのなか、その湧いては過ぎていく霧を静かに見つめていると、伝説の「衣織る姫(きぬおるひめ)」が現れるのではないかと思われてしかたがない。

 「この原に一人の姫が住んでいた。たまさかにこの原を訪れる里人は、美しい草花の咲き誇る間に、姫が機(はた)を織るおさ(ひ)の音をきくのが常であったが、この衣姫(きぬひめ)と里人の呼びなした姫の姿を見たものはついぞなかった。
 しかるにある5月の日の暁この原を訪れた一人の若者が、美しい原の景色に見入っている時、池の面に漂う白い霧の中から、おさ(ひ)を手にしたけだかい乙女が現れ、見る人のあるとも知らず、水の上をすべって岸に近づきながら、笑いを浮かべて百花の乱れ咲く原に足を入れようとした瞬間、若人の影に驚いて、振り返りざまに手に持ったおさ(ひ)を投げつけて、かき消すごとく姿を隠してしまった。
 若者は三日を過ぎてから、気を失ったままに家に連れ戻されたが、熱を発して七日の後にはすでにこの世の人ではなかった。
 それ以来、この原にはおさ(ひ)の音の響きも跡を断ったという。」

           武田久吉 著 「尾瀬と鬼怒沼」 1996年刊 平凡社 より抜粋

 
 この時期、当然のこととはいえ花が少ないが、女夫淵から八丁ノ湯への路傍に目立っていたのがアザミの一種

20061001kinunuma_083

 それにしても、女夫淵 → 鬼怒沼 → 女夫淵 の往復20キロの行程を、7時間以上かけて歩くのは、結構しんどかった。

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