日光 外山
日光山(東照宮や輪王寺など)の鬼門(北東=丑寅の方向)の位置にあり、日光山を守護してきた外山(標高880メートル)は、山頂に毘沙門天を祀った毘沙門天堂が置かれ、古くから多くの人々の信仰をあつめてきた山です。
「神橋」のある交差点を東に進み、女峰山から流れてくる稲荷川にかかる稲荷橋を渡ると、霧降方面と外山方面の分岐にでますが、その石垣の下に石仏が祀られています。そして、その前に小さな石柱(道標)があり、そこには「右霧降瀧道」「左外山参道」と刻まれています(大正4年の道標だそうです)。
石柱の案内に従って左の坂を上り、住宅街を右に進むと鳥居のある登山口へと出ることができます。登山口入口には「三丁」と刻まれた石標もあります。
頂上までは標高差が300メートル程度ですが、ほぼまっすぐな急な坂をひたすら上ることになります。時間にすると30分程度ですが、汗がふきだしてきます。
途中、「六丁」と「九丁」と刻まれた石を見つけることができました。今まで何度も登っていたのに初めて気が付きました。これ以外にもああるのでしょうか?
山頂には輪王寺管轄の毘沙門堂があり、ここに祀られている毘沙門天は商売の元銭である福銭(ふくせん)を貸してくれる福の神として、古くから信仰を集めてきました。
1年に一度の縁日である1月3日の外山毘沙門天縁日は、全国でも珍しい「福銭貸し」が行われます。「福銭貸し」とは、このお堂の本尊毘沙門天様から福銭を授かり、参拝者はそれを事業の元手とし、翌年に借りた額を倍にして奉納するというものです。福銭は、円を両と言い換え、単位も1万倍にし、100円を100万両、1000円を1000万両とします。この福銭貸しの儀式は外山毘沙門天堂と信者との間のお金の貸し借りになりますが、厚い信仰に支えられているために証文はありません。
毘沙門天堂の前からは日光市街が一望でき、昔は日光参詣の行列を監視したとも言われています。 お堂の左手奥には多くの石仏や石祠がありますが、それぞれお名前があるのでしょうが、隊長にはわかりません。ただ、甲冑姿で騎乗するのは「勝軍地蔵」という火防の仏様だそうです。
また雲竜渓谷の荒々しい岸壁をいだく女峰山を間近に見ることができます。
最後に、いつも気になっていたのですが、山頂にあるシャレの利いた?看板も紹介しておきます。
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