June 2008
2008.06.28
2008.06.26
2008.06.22
雄国沼 番外編
雄国沼
磐梯山の西に、猫魔ヶ岳や古城ヶ峰・雄国山を外輪山とし、標高1090メートル程の山上に秘めやかに存在するカルデラ湖「雄国沼」。
ニッコウキスゲの大群落が有名で、雄国沼湿原植物群落として国の天然記念物に指定されています。
雄国沼に至る主なルートは、①雄子沢口 ②ラピスパ裏磐梯 ③猫魔八方台 ④金沢峠がありますが、今日は、ニッコウキスゲの開花状況を調査する目的で、桧原湖畔の雄子沢口からの出発です。
雄国沼から桧原湖へ流れ込む雄子沢川に沿った、ブナやトチノキ・ミズナラなどに囲まれた比較的緩やかなトレイルを1時間程登っていきますが、小雨模様の曇り空にもかかわらず、ウグイスやカッコウ・エゾハルゼミやカエルなどの声であふれかえっています。
雄子沢口から登ること1時間程で、無人の避難小屋「雄国沼休憩舎」へ到着です。眼前に雄国沼がひろがっています。
そして、この建物周辺にはレンゲツツジやタニウツギ、ヨウラクツツジなどの低木、ホウチャクソウやチゴユリなどの小さな山野草が花を競っていました。
[レンゲツツジ]
避難小屋から、さらに30分程歩くとお目当ての雄国沼湿原へ到着します。とてもこぢんまりとした湿原ですが、山上の楽園です。
残念ながら、お目当ての「ニッコウキスゲ」は咲き出したばかりで、まだまだこれからですネ。まぁ天候にもよりますが、今週末あたりから見頃が始まるのではないでしょうか。
湿原の入り口付近と最奥付近には、「レンゲツツジ」も咲いていました。
湿原をよく観察すれば、ワタスゲやタテヤマリンドウも・・・・・
ホロムイイチゴも白い花を開いていました。
湿原をゆっくり観察した後は、雄国沼の北側にある外輪山の一つ「雄国山(標高1271メートル)」へ登りました。頂上には展望用の櫓がたち、天気さえ良ければ360度の眺望が得られます。
11時頃に雄子沢口の駐車場へ戻ったのですが、その時は駐車場は満車状態でした。
やはり、遊びの基本は「早起き」です。
2008.06.16
ドングリの木
昨年の秋に拾ってきたドングリの実が芽を出し、グングン生長しています。
ドングリの木を植林して、森づくりを推進し、地球環境に配慮してCO2(二酸化炭素)を削減しようなどと考えていた訳ではありません。
しかし、よくよく考えてみると、一体ドングリの木一本が一年間に吸収するCO2の量はどれくらいなのでしょうか?
また、私たち一人当たりの年間CO2排出量はどれくらいなものなのでしょうか?
そんな素朴な疑問がわいてきます。
調べてみると・・・・・
一本のドングリの木が一年間に吸収するCO2は、およそ11㎏と試算されているようです。
CO2が11㎏といってもピンときませんが、日常生活の中で例えると、車にETCを搭載して一年間走行するとちょうど同量のCO2削減になるようです。別な例ですと、エアコンのフィルターの掃除を月に2回程度した場合の削減量と同等のようです。
ドングリの木が12本ということは、12本×11㎏=131㎏
CO2が131㎏削減されると試算される訳です。
それでは、いったい人間一人当たりの年間CO2排出量はどれくらいなのでしょうか?
なんと10,222㎏程度だそうです。
・・・・・ということは、単純に計算するとドングリの木を930本ほど育てる必要が・・・・・
2008.06.08
大内宿
「私は大内村の農家に泊まった。この家は蚕部屋と郵便局、運送所と大名の宿所を一緒にした屋敷であった。村は山にかこまれた美しい谷間の中にあった。」(平凡社 日本奥地紀行 高梨健吉訳より抜粋)
1878年(明治11年)、イギリス人イザベラ・バードが日本を旅した紀行文「Unbeaten Tracks in Japan(日本奥地紀行)」に描かれた大内宿・・・・・
駒止湿原からの帰路、一度は行ってもいいかなぁ~と思っていた、その大内宿に立ち寄ってみました。
ある程度の人混みを覚悟していたのですが心配していたほどでもなく、観光地にありがちな神経を逆なでするような看板もなく、電柱もなく、あるのは雰囲気の良い茅葺き屋根の古民家のみで、ゆっくりと大内宿を散策することができました。(イザベラ・バードの宿泊した民家が現存しているのには感動しました。)
テレビでよく紹介されているネギ蕎麦(高遠蕎麦)を食べながら、蕎麦の味よりも、その古民家の雰囲気に心を動かされ・・・・・
囲炉裏のある生活もいいもんだなぁ~なんてことを考えながら・・・・・
視線は囲炉裏であぶられているイワナへ・・・・・
(食べたいのではなく、釣りたいんです。)
こんな山人生活がしてみたい。
2008.06.07
駒止湿原 Part.2
駒止湿原は、湿原を囲むブナの森に守られています。そして、その森には、いまにもあふれんばかりの自然のいのちが・・・・・。
水辺には、カエルやサンショウウオの卵が・・・・・
水たまりには、まだ自然の冷徹さを知らない無垢なオタマジャクシも・・・・・
山々に鳴り響くエゾ春ゼミたちも、自身の役目を終え、地面へ・・・・・
(地面の落ちたセミを拾って記念撮影)
しかし、湿原を囲むブナ林の外縁部は、戦中から戦後の開拓によって伐採された荒野が拡がっており、現在植林によってその復元がはかられています。
「論語」のなかで、孔子は次のように言っています。
「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」
文豪 開高健も書き記しています。
「賢者は海へ行く、聖者は山へ行く」と・・・・・
駒止湿原 Part.1
標高およそ1100メートルの豊かなブナの森に囲まれた高層湿原で、天然記念物にも指定されている駒止湿原を歩いてきました。
ウグイスやカッコウなど・・・・・ブナ林から響く野鳥のさえずり
水辺からは怪しげなカエルの声
陽が昇るにつれ激しさを増すエゾ春ゼミの騒音(?)
この時期の駒止湿原は、自然のいのちの「音」であふれかえっています。
そして競い合うように咲き乱れる花々たち。
四季のうつろいは例年より早いようで、水芭蕉はその純白の仏炎苞を落としており、かわって湿原一面にはワタスゲの白い綿毛が光輝いています。
朝露に濡れたワタスゲたち。
でも、陽が昇るにつれてフサフサになっていきます。
ワタスゲの足下で、清楚な紫の花を咲かせているタテヤマリンドウ。
早朝は花がしっかりと閉じられていたのに、太陽が昇って陽が差し込むと一斉に花がひらきだします。
また、湿原上をよ~く観察してみると、食虫植物のモウセンゴケが、いたるところでその赤っぽい触手?口?をひろげています。
ところで、南会津町(旧田島町)側の駐車場(トイレ有り)に車を停め湿原へ入っていったのですが、早朝6:00の段階ではガラガラだった駐車場も、帰る頃(9:00)には満車状態でした。
結構人気があるんですね。
2008.06.01
蓬莱の三名水
白ハゲ口を過ぎ、舗装された林道(林道作原-沢入線)に出てしばらく下ると、「宝生の水」と呼ばれる湧水があります。
熊鷹山や十二山、宝生山などの、千メートル級の山々に囲まれ、その落葉樹林帯が蓄えた雨水が、時間をかけて岩々から清水となってわき出し、その幾筋もの流れがあつまり「旗川」となります。その旗川沿いに湧き出る湧水が「蓬莱の三名水」と呼ばれています。
ミネラル豊富で、一年中水温が変わることなく、冬でもかれることがありません。
上流より、順に「宝生水」「蓬莱水」「上水の水」と名をつけられており、その湧き出し口は、名水を求める車の列ができるほどです。
(地元の人が「雷電の水」と呼ぶ湧き出し口も別にあります。)
名水を汲んでいる人に頼んで、ペットボトル一本の「宝生の水」をわけてもらいました。
さっそく家に帰ってからその水でコービーをいれてみると・・・・・
清澄透明にして無味の味、コーヒー豆本来の味と香りを際立たせてくれます。
それにしても、名水を汲みにこられている方々は、半端じゃないですヨ。一体何に使うのでしょうかネェ。
熊鷹山・十二山・根本山へ(Part.2)
熊鷹山から十二山までは、明るい広葉樹の尾根を歩くこと30分。
「十二山」という小さな標識がなければ、うっかりすると山頂を通り過ごしてしまいそうな所です。
十二山から更に尾根づたいに15分程度歩くと、「根本山神社」へ到着です。根本山神社というよりは、神社跡といったほうが正しいかもしれません。
石垣がくまれた広い境内は、かつて信仰登山者で賑わっていたことがうそのように荒れ果てており、ただ鳥居と小さな祠が残るのみです。
以前は大きな社殿もあったといわれており、往時を偲ぶかのように、小さな祠の前には、その昔奉納された鉄でできた大きなマサカリが置かれていました。これ大きいですよ。一人では動かすことができませんでした。
根本山神社をあとにし、20分程登ると、標高1199メートルの根本山山頂に着きます。
ここも十二山同様、眺望はなく、ちょっと物足りなさを感じます。
ただ、ミズナラの木に打ち付けられた御札が山岳信仰の山であったことを伝えています。
根本山山頂から、さらに30分程度桐生側に足をのばすと、「根本山神社奥宮」があるということですが、今日はここで引き返すことにします。
往路を十二山までもどり、三滝目指しての下りです。腰が引けるほど急な斜面を慎重にくだって行くと、激しい水音がしてきます。途中に、昔の炭焼きの窯跡(?)があります。
道標に導かれ三滝展望台に到着です。展望台といっても何かがあるわけではなく、ただ三滝が一望できる岩場といったところです。三滝です。
三滝展望台を過ぎると、まもなく沢にでます。沢に沿って白ハゲ口を目指します。途中で沢を渡らなければなりません。
白ハゲ口から林道に降り、西沢駐車場目指します。
熊鷹山・十二山・根本山へ(Part.1)
大戸川沿いの林道を北上し、学校口広場手前にある西沢駐車場に車を止めて、熊鷹山(標高1169メートル)から十二山(標高1128メートル)、そして根本山(標高1199メートル)を尾根づたいに巡り、三滝へ降りてくるという山歩きです。
西沢駐車場から学校口広場までは、歩いて1分程度。広場には恐ろしげなトイレも完備されています。その広場から西沢沿いにつくられた林道をしばらく歩くと、西沢に流れ込む枝沢が右手に現れます。その枝沢が登山道入り口になっています。道標もあり、迷うことはないでしょう。
登山道入り口の枝沢です。
この流れの上には「ワサビ田」が・・・・・
この周辺は、どの流れにもワサビ田があり、清らかな水に恵まれたすばらしい環境にあることがうかがえます。
しばらくは植林された針葉樹の森を急登することになりますが、やがて尾根にでると、新緑で眩しいミズナラなどの広葉樹林の森が広がります。もう初夏の装いです。
この時期、林床には所々に白い色の植物が目立ちます。
その正体は、銀竜草(ぎんりょうそう)という葉緑素のない腐生植物です。慣れないとちょっと不気味な感じがしますネ。
西沢駐車場から、およそ2時間で、熊鷹山山頂です。
山頂直下には、まだヤマツツジが咲いていました。緑一色になった山に、鮮やかな赤のアクセントです。
こんな生き物までお出迎えです。カメラを持って近づいても逃げようともせず、むしろカメラに近づいて来てくれました。
西沢駐車場から熊鷹山山頂までの間に、鹿や猿、そして沢山の鳥たちに遭遇しました。とにかく豊かな山なんですねぇ~。
熊鷹山山頂での眺めを楽しんだら、次は尾根づたいに十二山と根本山を目指します。