早春の尾瀬 富士見峠からアヤメ平・横田代へ
6月7日、ミズバショウのピークを迎え混雑する尾瀬ヶ原や尾瀬沼を避け、山上湿原のアヤメ平を目指した。
群馬県側の尾瀬への入口の1つである富士見下より入山し、富士小屋で小休止。
富士見峠から富士見田代を過ぎると、群馬県側の眺望の開けた開放的な稜線歩きとなる。
前方には、目指すアヤメ平。
まだ「冬」の色濃く、アヤメ平下の山腹には雪が残っている。
富士見田代から木道をたどることおよそ15分程度で、アヤメ平へ到着する。
残念なことに尾瀬ヶ原方面は雲に閉ざされ、至仏山も燧ヶ岳も見ることができなかった。
至仏や燧の眺めを期待していただけに、とても悔やまれる・・・・・。
「戦前私は数回尾瀬へ行った。十月半ば雪に降られながら三平峠を越えたこともあれば、初夏の富士見峠を越えたこともあった。この峠の近くのアヤメ平から、広い原の向こうの果てに、遮るものもなく燧岳の全容を望んだ時は、天下一品という気がした。おそらく燧の示す最も美しい姿だろう。それは胸の透くような伸び伸びした線を左右に張って、ほぼ純正なピラミッドであった。同じピラミッドでも底辺が長いので、余計立派に見えた。」
深田 久弥 著 「日本百名山」 1994年 新潮社 刊 より抜粋
雲の上の楽園:アヤメ平(標高1969メートル)
昭和30年代のオーバーユースが原因で荒廃した湿原の回復作業が、昭和44年から進められているが、いまだに完全回復にはほど遠いらしい。
アヤメ平から、さらに10分ほどで、この稜線上の最高地点、中原山(中ノ原三角点)へ出る。この周辺の樹林帯には、まだまだ残雪が多く、雪の上を注意して歩かなくてはならない。
残雪の中のトレイル
中原山の道標からしばらく下ると横田代。
アヤメ平に比べると小さな湿原だが、水芭蕉やショウジョウバカマなどが見られた。
横田代(標高1860メートル)
アヤメ平から横田代の山上湿原で見られた山野草の数々・・・・・
咲き始めたばかりのチングルマ
淡いピンクの壺状の花をつけたヒメシャクナゲ
ミツバオウレン
そして、これも咲き始めたばかりのイワカガミ
タテヤマリンドウ
尾瀬全域で、今がピークの水芭蕉・・・・・
ショウジョウバカマなどなど・・・・・
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