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2009.06.27

高山植物と眺望の山 会津駒ヶ岳

 南会津を代表する会津駒ヶ岳(標高j2132メートル)は、その尾根の長い穏やかな山容と、眺望の良さから、多くの人に愛される名山で、登ってはじめてその素晴らしさを体感することができる。

 駒ノ大池から眺める会津駒

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 「会津駒は人ずきのされる山である。会津駒は静思の山。そして思い出の表現のような山である。幻想の曲のあらわれとも言いたいその山の持てる曲線。
 目つむりて思うにふさわしき山、おお会津駒。その名はいつまでも若い旅人の愛すべきメモの1つに残るだろう。」
         武田 久吉 著 「尾瀬と鬼怒沼」  1996年 平凡社 刊 より抜粋

 未明より愛車をとばし、朝の6:00に滝沢登山口より入山する。
 車は林道沿いの空き地に駐車することになる。
 (登山口の場所はここをクリック)

 滝沢登山口

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  ミズナラやブナの新緑がまぶしい登山道を喘ぎながら急登すること90分で、唯一の水場へ到着する。
 水場は登山道から50メートルほど下ったところにあり、苔むした岩の間から清烈な水がしみ出している。
 急な登山道には、マイズルソウやユキザサ、ツクバネソウが多く見られた。

 水場から10分程度で、なだらかな登りとなる。
 木々も広葉樹から針葉樹に変化し、トレイルの両側には、ミツバオウレンやタケシマラン、エンレイソウにサンカヨウと、たくさんの高山植物が出迎えてくれる。

可憐なミツバオウレンの群生

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 樹林帯を抜け、目指す会津駒の頂が見え隠れするようになると、林床にはイワカガミやショウジョウバカマ、イワナシが目立つようになる。

 イワカガミ

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 展望が開け、明るさに心躍ると、トレイルが木道に変わる。
 そこから山頂までは湿原が続き、残雪の間から、可憐な高山植物があちこちで顔を出していた。

 木道の先に駒ノ小屋が見える。

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 駒ノ小屋直下の湿原で、咲き出したばかりのハクサンコザクラに出会うことが出来た。
 雪田を代表する高山植物で、ここ会津の人たちは、親しみをこめてナンキンコザクラと呼ぶようだ。

 「ハクサンコザクラにおどる山の陽のなごやかさよ。ハクサンコザクラにたわむれる山の風の柔らかさよ。駒は前になだらかな肩をふっくりとさせて、夢と現の境に旅人の心を引き入れる。」
        武田 久吉 著 「尾瀬と鬼怒沼」  1996年 平凡社 刊 より抜粋

 会津駒を代表するハクサンコザクラ

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 木道沿いで一番目についたのがショウジョウバカマ

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 残雪の中を登りつめると、駒ノ小屋とトイレの建つ、そして雪がとければ一面のお花畑になる駒ノ大池が美しい、尾根筋に出る。
 駒ノ小屋で小休止後、会津駒の山頂を目指す。
 しばらくは残雪の中を歩かなければならないが、それもまた楽しい。

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 会津駒ヶ岳山頂直下からの眺望が素晴らしい。空気の澄んだ日には、東の日光連山や白根、南に尾瀬の燧や至仏、上州の武尊、西に越後三山と、名山が一眸できる。
 また、南に続く稜線上には、今通ってきた駒ノ小屋や駒ノ大池も見ることができた。

 山頂直下から南側の眺望(ちょっと霞んでいる)

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 山頂に着いた時、9時を過ぎていた。山頂には一等三角点の標石がある。
 360度開けているが、笹や小木で視界が遮られてしまい、満足な眺望を楽しむためには駒ノ小屋方面か中門岳方面へちょっと降りなければならない。

 山頂

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 山頂直下、中門岳方面へちょっと降りると、北側の大展望が得られる。
 
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 山頂からちょっと降りた西側の林のふちで、ツバメオモトにも出会うことができた。

 ツバメオモト

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