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August 2009

2009.08.28

旭山動物園

 「行動展示」や「もぐもぐタイム」等、斬新なアイデアで今や年間の来園者数が300万人を超える、超人気の旭川市旭山動物園。
 平成8年入園者数26万人で入園者数最低を記録し、旭川市のお荷物動物園と言われてから、10年後の平成18年には入園者数が300万を超えるまでに躍進している。

 そんな夢の動物園、人気の1つが2000年にできた「ぺんぎん館」。
 陸上をヨチヨチ歩くイメージが強いペンギンだが、水中ではものすごいスピードで泳ぎ回り、その能力が最大に発揮された姿を見ることができる水中トンネル。

陸の上のペンギン:(これはこれでカワイイ)
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水中トンネルを泳ぐペンギン:(水中を飛んでいる)
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水中で遊ぶ?ペンギン
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 これも人気の展示の1つ、2002年にできた「ほっきょくぐま館」
 「もぐもぐタイム」を見学するため辛抱強く列に並び、うれしいことに最前列でホッキョクグマを見ることができた。ホッキョクグマの水中での姿を見るのはこれが初めてになる。

エサの小魚をくわえたホッキョクグマ
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水中でエサに向かうホッキョクグマ
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 そして、2004年にオープンした「あざらし館」。
 陸上で寝そべっているイメージしかなかったアザラシだが、縦の動きを取り入れることでアザラシの素晴らしい動きを見ることができるようになっている。

マリンウェイ(円柱トンネル)を上下するアザラシ
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「もぐもぐタイム」でエサを食べるアザラシ
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 昨年、2008年に新しくオープンしたのが「おおかみの森」
 残念ながら暑さのため日陰に寝転んでのお昼寝タイム中。

「おおかみの森」入口:(「えぞしかの森」が併設されている)
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 ところで興味のある方は、この旭山動物園の副園長(執筆当時副園長、2009年4月からは園長に)で獣医でもある坂東元さんの書いた「夢の動物園(旭山動物園の明日)」 角川学芸出版、の一読を勧めます。

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美瑛・富良野の風景

 十勝連峰をバックに丘の連なる美瑛・富良野で出合った美しい風景の数々・・・・・

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四季彩の丘
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赤い屋根の家
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 丘ではないけれど、白金温泉を流れる美瑛川にある白ひげの滝

白ひげの滝
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 同じく白金温泉近くにある碧い池

碧い池
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 そして美瑛川、別名その碧い流れからブルーリバーと呼ばれている。

美瑛川
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2009.08.27

十勝連峰 富良野岳

 十勝連峰の南端で、独立峰のような安定感あるどっしりとした山容を見せてくれる標高1912メートルの富良野岳は、十勝連峰の中では比較的古い火山で、「花の百名山」に選ばれるほど高山植物が豊富なことでも人気を集めている。

富良野岳:(左のピークが山頂になる)
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 今回は十勝岳温泉からの入山となる。
 十勝岳温泉の登山口から安政火口までは林道を歩く。

 安政火口は、幕末の探検家、松浦武史郎が「火脈燃立て黒烟刺上るを見る」とその探検記「十勝日誌」に誌したように、安政4(1857)年の噴火で出来た火口である。

安政火口:(今なお噴煙があがり、硫黄臭が漂う)
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 安政火口手前で右に折れ、1つ尾根をこすと上ホロカメットク山との分岐に着く。
 この付近はハイマツ帯になっており、ハイマツの球果をエサとするホシガラスが上空を飛び交い、エゾシマリスが地を走り回っている。遠くの岩場からはナキウサギの声も聞こえてくる。

ホシガラス
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 また、キタキツネもこちらの様子をうかがっている。

キタキツネ
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 上ホロ分岐から、稜線上の富良野岳分岐までは、ずっと正面に富良野岳や三峰山を眺めながらの快適な登山となる。
 稜線上の富良野岳分岐を右に行けば富良野岳、左に行けば三峰山を経て十勝岳へ。

三峰山:(富良野岳分岐へ向かうトレイルがよく見える)
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 富良野岳山頂からの眺めは良く、十勝連峰の山々を眺めることができる。

富良野岳山頂からの眺望:(中央やや右寄りの尖ったピークが十勝岳)
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 ところで、高山植物はというと・・・・・

オオバミゾホオズキ
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ヨツバシオガマ
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カラフトイチヤクソウ
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ミヤマリンドウ
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 これらの他にも、コマクサやゴゼンタチバナ、エゾヒメクワガタ、ダイセツトリカブト、コウメバチソウ、トカチフウロなどの花々も楽しむことができた。
 ただ十分に高山植物を楽しむには時期がちょっと遅かった・・・・・残念。

 最後は十勝岳温泉登山口にある山神さまに無事に下山したことを報告する。

大山神さま
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 富良野岳はなかなか素晴らしい山である。
 それにしても、すれ違う登山者はなぜか女性ばかりだった・・・・・?
 

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2009.08.26

十勝連峰 美瑛岳

 山麓の白金温泉や美瑛の丘からの望む美瑛岳は、左の美瑛富士と並び、槍のように鋭い山容を見せてくれる。
 また、十勝岳の縦走路(稜線)からは、ポンピ沢に落ち込む深い断崖の上に、岩の稜線が走り、一種独特の力強い雰囲気で迫ってくる。

山麓からの美瑛岳:(左が美瑛富士)
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 今回は、十勝岳からの縦走になる(十勝岳まではこちらを参照)
 まず、十勝岳の頂上から、火山地形の砂礫帯の平ヶ岳と呼ばれる平坦地を抜けるが、目印がなく迷いやすい。

 鋸岳に近づくにつれて尾根がはっきりしだす。

鋸岳:(右のピークが鋸岳)
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 トレイルは鋸岳の稜線から分かれてトラバース気味に東側へ下っている。

鋸岳から下りきった地点:
(中央左のピークが鋸岳、そのすぐ右横に十勝岳山頂が見える。ここから美瑛岳への登りが始まる。)
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 美瑛岳への登りが始まると、次第に高山植物がその姿をあらわす。

イワブクロ
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イワギキョウ
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メアカンキンバイ
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 美瑛岳は、山頂の南側が大きく切れ落ちており、崖上の岩の稜線上を頂上目指す。深く切れ込んだポンピ沢は迫力がある。

ポンピ沢:(中央が十勝岳)
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崖上の稜線を頂上目指す:(左のピークが美瑛岳山頂)
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 やがて崖上の稜線からはなれると美瑛富士との分岐にさしかかるが、ここから山頂へ向かって最後の登りとなる。

山頂からの美瑛富士の眺望:(左が美瑛富士、右奥がオプタテシケ山)
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山頂からの十勝岳の眺望:(右のピークが十勝岳)
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 山頂は十勝岳同様、狭い岩場になっている。
 周囲の山々や山麓の樹海の眺望を楽しんだあとは、一気にポンピ沢まで急降下する。

 あとはポンピ沢を渡渉し、ロープを頼りに雪渓を渡るなどしながら、雲ノ平を経て、望岳台まで戻ることになる。

雪渓を渡る
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 望岳台→十勝岳→美瑛岳→望岳台
 16キロ 9時間 疲れたぁ~

 完璧な どこにも傷のない 希な日・・・・・・・・ 

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十勝連峰 盟主 十勝岳

 白い噴煙を山腹から空に向かって噴き上げる十勝岳を主峰に、富良野岳からオプタテシケ山まで10座ほどの山々を連ね、起伏ある魅力的な稜線と、深く食い込んだ渓谷が迫力ある十勝連峰。
 その盟主 十勝岳(標高2077メートル)は、その左右に美瑛岳と富良野岳をしたがえ、ひときわ高く突き出た円錐形の頂が富良野盆地からよく目立つ、今なお噴煙を上げる活火山である。

望岳台からの十勝岳Img_4792

 「十勝は生きている火山という強い印象を与えられる。火口壁の残骸のボロボロの岩尾根や、一木一草もない黒ずんだ砂礫のザクザクした斜面や、噴火の猛威のあとがまだなまなましく残っている。」
       深田 久弥 著 「日本百名山(新装版」 1991年 新潮社 刊 より抜粋

 昨年、同じ大雪山系のトムラウシ山へ登ったとき、次は十勝連峰へと心に決めていたが、その念願が叶い、今回、望岳台から登る機会を得た。

 早朝にもかかわらず、既に登山口にあたる望岳台には、登山者のものとおぼしき車が何台も駐車してあった。
 まずは、だだっ広い、岩礫帯の歩きずらいトレイルを、最近建てなおされた十勝岳避難小屋を目指し登り始める。

岩礫帯の歩きずらい登山路:(中央に見える小屋が十勝岳避難小屋)
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 この周辺は、植生もだいぶ復活してきているようで、エゾオヤマノリンドウやシラタマノキが、登山者の目を楽しませてくれる。

エゾオヤマノリンドウ
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シラタマノキ:(その白い実はメンソールの香りがする)
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 避難小屋で小休止後、すぐ左の尾根へ取り付き、噴煙を上げる前十勝の噴火口を避けるように高度をかせぐ。

 しばらく登ると、平坦な砂礫地帯のグランド火口の縁部に出る。 

グランド火口の縁部:(正面に美瑛岳を望む)Img_4540

 火山地形で迷いやすく、歩きにくい砂礫帯の尾根を頂上目指す。

月面のような砂礫帯の尾根すじ
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山頂へのかたに取り付く:(雪渓も残っていた)
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 あとは、頂上への急な登りをひとふんばり。
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 頂上は狭い岩場だが、360度の大展望が得られる。

十勝岳頂上:(奥の山が美瑛岳)
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 「(十勝岳の頂上から)美瑛岳、美瑛富士、オプタテシケを眺めた。薄曇りとなった空の下で、山々はいずれも立派だった。それぞれの姿を誇るのでもなく、大きな心を宿していた。人間などの想像も出来ない大きな心を宿し、その心を乱すこともないようだった。」
           串田 孫一 著 「北海道の旅」 1997年 平凡社 刊 より抜粋

 さぁ~ 頂上での眺めを楽しんだら、いざ美瑛岳へ・・・・・。

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2009.08.18

夏秋行き合う尾瀬ヶ原

 夏の風と秋の涼風が同居する尾瀬。
 はるばる訪れた秋の雲と夏の雲がなにやら語り合うような空を「ゆきあひの空」と呼ぶことがあるが、この時期の尾瀬ヶ原は、夏と秋が互いに移ろいの時を楽しむように、曖昧な季節の雰囲気を楽しむことができる。

 青く輝く尾瀬の雌雄、至仏山に燧ヶ岳

 至仏山
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 燧ヶ岳
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 尾瀬ヶ原を彩る花々は秋の花が多くなっている。
 鳩待峠から山ノ鼻までの木道沿いには、紫色のソバナが目立つ。

 尾瀬ヶ原に入ると、濃い紫色をしたサワギキョウがあちこちで小さな群落をつくっていた。

 サワギギョウ
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 点在する池塘で目立っていたのがヒツジグサの花。
 なんでも未(ひつじ)の刻(午後2時頃)に開花するからヒツジグサと呼ぶらしい。

 ヒツジグサの花
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 北海道と鳥海山、そしてここ尾瀬でしか見られない貴重な食虫植物のナガバノモウセンゴケも・・・・・

 ナガバノモウセンゴケ
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 この他にも、白く可憐なイワショウブの花やオゼヌマアザミ、丸く黄色のミズギクなどもあちらこちらで目にすることができた。

 深紅で小さなハッチョウトンボとも出会うことができた。

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2009.08.10

大雪山

 大町桂月の言葉に
「富士山に登って山岳の高さを語れ 大雪山に登って山岳の大さを語れ」という名言があるが、実際、大雪山の偉大さは、その懐深く入らねばわからない。

 白雲岳山頂から望む旭岳Omotetaisetsu001

 大雪山といっても、それはある特定の峰を指すのではなく、北海道のほぼ中央部に広がる2000メートル級の山々の総称である。
 黒岳・旭岳・トムラウシ山、広くは十勝連峰の十勝岳・富良野岳、さらに石狩岳など、岳人憧れの山々が連なる。

 旭岳から望む山々
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 その最高峰は旭岳の2290メートルで、北アルプスの3000メートル級の山に比べると標高は劣るものの、高緯度にあり、森林限界は低く、高山帯の気象状況の厳しさは北アルプス以上といわれている。稜線を歩けば、その日本離れした景観が圧倒的に迫ってくる。

 旭岳
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 この大雪山の広がりを最も実感できるのは、白雲岳から南の高根ヶ原方面をのぞんだときであろう。高根ヶ原からトムラウシ山にいたる高原は全長15キロにも達し、あまりの雄大さに呆然となる。

 白雲岳から高根ヶ原をへてトムラウシ山を望む
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 そして、なんと言っても、その原始の森には、人間を超える山の神キムンカムイ(ヒグマ)が存在することが特別の意味を持つ。ヒグマの存在を意識することが、山々の魅力をさらに増すことにつながっているのである。

 大雪山の盟主 トムラウシ山
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 大雪山は神々の遊ぶ庭
 アイヌはカムイミンタラと呼ぶ。

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