十勝連峰 盟主 十勝岳
白い噴煙を山腹から空に向かって噴き上げる十勝岳を主峰に、富良野岳からオプタテシケ山まで10座ほどの山々を連ね、起伏ある魅力的な稜線と、深く食い込んだ渓谷が迫力ある十勝連峰。
その盟主 十勝岳(標高2077メートル)は、その左右に美瑛岳と富良野岳をしたがえ、ひときわ高く突き出た円錐形の頂が富良野盆地からよく目立つ、今なお噴煙を上げる活火山である。
「十勝は生きている火山という強い印象を与えられる。火口壁の残骸のボロボロの岩尾根や、一木一草もない黒ずんだ砂礫のザクザクした斜面や、噴火の猛威のあとがまだなまなましく残っている。」
深田 久弥 著 「日本百名山(新装版」 1991年 新潮社 刊 より抜粋
昨年、同じ大雪山系のトムラウシ山へ登ったとき、次は十勝連峰へと心に決めていたが、その念願が叶い、今回、望岳台から登る機会を得た。
早朝にもかかわらず、既に登山口にあたる望岳台には、登山者のものとおぼしき車が何台も駐車してあった。
まずは、だだっ広い、岩礫帯の歩きずらいトレイルを、最近建てなおされた十勝岳避難小屋を目指し登り始める。
岩礫帯の歩きずらい登山路:(中央に見える小屋が十勝岳避難小屋)
この周辺は、植生もだいぶ復活してきているようで、エゾオヤマノリンドウやシラタマノキが、登山者の目を楽しませてくれる。
避難小屋で小休止後、すぐ左の尾根へ取り付き、噴煙を上げる前十勝の噴火口を避けるように高度をかせぐ。
しばらく登ると、平坦な砂礫地帯のグランド火口の縁部に出る。
火山地形で迷いやすく、歩きにくい砂礫帯の尾根を頂上目指す。
頂上は狭い岩場だが、360度の大展望が得られる。
「(十勝岳の頂上から)美瑛岳、美瑛富士、オプタテシケを眺めた。薄曇りとなった空の下で、山々はいずれも立派だった。それぞれの姿を誇るのでもなく、大きな心を宿していた。人間などの想像も出来ない大きな心を宿し、その心を乱すこともないようだった。」
串田 孫一 著 「北海道の旅」 1997年 平凡社 刊 より抜粋
さぁ~ 頂上での眺めを楽しんだら、いざ美瑛岳へ・・・・・。
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