皇海山(すかいさん)
皇海山と書いて「すかいさん」と読む。
栃木県と群馬県の県境にある標高2144メートルの山で、日本百名山にも選ばれている。
「日本百名山」の著者深田久弥氏は、木暮理太郎氏の「東京から見える山」の写生で初めて皇海山の存在を知り、その「皇海山紀行」を読まれて更に興味を持ったようだ。
その著書「日本百名山」のなかで、深田久弥氏はこう語っている。
「大正八年木暮さんと藤島俊男さんの2人で、登山路を探し求めながら、苦労の末頂上に達した紀行(皇海山紀行)である。その頃はまだ日本にもどこから登っていいか分からず、自分で道を見つけ、迷い、藪を漕ぎ、野しゃがみをし、ようやく頂上に達するという、本当の山登りの楽しさの味わえる山があったのである。
もうそういう山は殆んど無くなった。しかし開けてしまった山々のうちでも、皇海山などはまだ訪う人の少ない山に数えられよう。」
しかし皮肉にも、今やマイクロバスが何台も登山口に押し寄せる人気の山となった・・・・・。
早朝6時前の登山口駐車場の様子:(すでに多くの車が・・・・・)
登山口は群馬県沼田市側からの不動沢ルート。
1985年に開通した栗原川林道を使って、国道120号線を追貝から不動沢登山口のある皇海橋までおよそ20キロの悪路を1時間かかって詰めていく。
その悪路ぶりにはうんざり・・・・・しかし、この林道のおかげで皇海山が日帰りで登れるようになった訳だ。
この林道ができる以前は、皇海山への登頂ルートは足尾側の庚申山から鋸山を経るルートのみで、なかなか容易には登ることができなかったらしい。
不動沢コースの登山口となる、皇海橋には、橋の両端に駐車場があり、追貝側の駐車場には見事なまでに清潔なトイレも設置されている。
登山口からしばらく林道をあるくが、やがて道標にしたがって沢筋の登山路を行くことになる。
沢を詰める:(帰路撮影したもの)
なんども不動沢とその枝沢を渡り、1時間半で皇海山と鋸山にはさまれた不動沢コルへ出る。
要所要所には道標があり、またテープも巻かれているので、道に迷うことはないだろう。
不動沢コル:(ガスの中で眺望なし・・・・残念)
不動沢コルからは、栃木と群馬の県境の原生林の尾根を1時間ほど急登すると皇海山頂上へ。
頂上手前には、明治二十六年奉納の日付が読める青銅の剣が立っている。
「南総里見八犬伝」にも出てくる有名な信仰の山庚申山を前山とし、その奥ノ院である皇海山は江戸~明治にかけて栄えたらしい。
ここの所、いつもガスに悩まされている。天気予報では「雲一つ無い晴天」と言っていたはずだが・・・・・。
ガスが晴れるのを少し待ってみたが、早々に撤退、再来を期す。
往路、あまりの悪路ぶりにうんざりしていた栗原川林道だったが、帰路は美しく彩られた山々の紅葉を見せてくれた。
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