晩秋の荒海山
福島県と栃木県の県境稜線にあり、日本海と太平洋の分水嶺にあたり、福島県側では「荒海山」、栃木県側では「太郎岳」と呼ばれる標高1581メートルの会津の秘峰荒海山を訪れた。
登山口は福島県側の八総鉱山跡しかなく、訪れる人も少ない静寂な山で、国道352号線を案内板に従い左折し、荒海川沿いの林道を進むと、左手に八総鉱山跡に到着する。林道の道幅が広くなっているのでここに車が10台程度駐められる。
鉱山跡を過ぎると林道は急に細く荒れたダートとなり、今にもクマが出てきそうな雰囲気に包まれる。
鉱山跡から慎重に進むと、やがて登山カードボックスのある登山口へ着く。ここにも車が3台程度停めることができるスペースがあるが、4輪駆動以外はやめたほうがいい。
透き通った荒海川沿いに進むと、川を渡渉し、右へ折れて沢筋を登る。小さな道標があるので見落とさないように注意して進もう。
沢筋の登りはきつい上りの連続で、ロープが数ヶ所張ってある。およそ40分程の急登で稜線上の鞍部に出ることができる。
鞍部から道標に従い左へ折れる。
しばらくは歩きやすい緩急のおだやかな稜線上のトレイルとなるが、荒海山手前の1251メートルピークを過ぎると再び急登となり、1350メートル地点に出ると、突然目の前が開け、双耳峰の威風堂々とした荒海山が目に飛び込んでくる。
木の根が露出した歩きにくいトレイルをさらに進むと、次第に雪深くなり、一歩一歩が慎重になる。
頂上までの笹で覆われた尾根に取り付き、ロープを頼りに急登すると、次第に視界が開け、頂上直下の南陵小屋があらわれる。小屋は笹藪におおわれ人の侵入を拒んでいる。
荒海山頂上(西峰)には標識と「大河の一滴この地より生る阿賀野川水源の標」と刻んである石碑が立つ。
眺望は360度の大パノラマで、北には会津田島の名峰七ヶ岳、西には会津駒ヶ岳や燧ヶ岳、南には日光連山、東には高原山(鶏頂山)が一望のもとに見渡せる。
隣の二等三角点のある東峰へは、笹藪の中を5分ほど進むことになる。
東峰から西峰を望む(奥の雪をかぶった山が会津駒ヶ岳)
帰路は往路を引き返すことになるが、およそ2時間30分程でもどることができる。
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