晩秋の谷川岳(たにがわだけ)と一ノ倉沢
「これほど有名になった山もあるまい。しかもそれが『魔の山』という刻印によってである。」と、深田久弥の「日本百名山」にも記され、かつては「魔の山」として怖れられていた谷川岳(標高1977メートル)も、今や多くの登山客で賑わう人気の山となっている。
トマノ耳の山頂からオジカ沢の頭・俎嵒(まないたぐら)方面の展望
谷川岳ロープウェイ土合口駅から10分程で、標高1320メートルの天神平駅へ着く。さらにリフトに乗り継ぎ標高1500メートルの天神峠へ向かう。
天神峠の展望台からは、南に赤城山・上州武尊、東には至仏山や笠ヶ岳、北にはこれからむかう双耳峰の谷川岳と山頂へ続く天神尾根など、遮るものがない360度の大展望がひらけている。絶景である。
天神峠からの谷川岳
天神峠から尾根すじをいったん下り、すでに落葉したブナの林の中、木道の敷かれた道を緩やかに登ると熊穴沢避難小屋へ着く。
熊穴沢避難小屋からはクサリ場の連続する岩まじりの急登となる。
天狗の留まり場や天神のザンゲ岩を通過し、ガレ場の歩きにくい斜面をジグザグに急登する。
ガレ場を登りきると、谷川岳肩ノ小屋が建つ広場にでる。
肩ノ小屋からは、笹原を右方向へ進むと谷川岳の頂上の一つ「トマノ耳」へ出る。
山頂からは360度の大展望が楽しめる。
トマノ耳から、谷川岳最高点のオキノ耳へは10分程の距離。
切り立ったトマノ耳がよく見える。27日に降った雪が残り、日陰では凍りついており、非常に危険であった。
下山後、1時間程歩いて、「魔の山」の由来となっている一の倉沢へ向かった。
そそり立つ大岩壁に圧倒された。