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May 2012

2012.05.26

日留賀岳

 塩原の名峰 日留賀岳(標高1849メートル)を訪れた。
 登山口から山頂までは登り4時間・下り3時間の健脚向けの山だが、登るにつれて落葉広葉樹の雑木林からアスナロ林、そしてブナ林へと変化し、この時期は、山頂からの雄大な眺望と共に、新緑と色とりどりに咲く高山植物が愉しめる。訪れる登山者も少なく、静かな山旅が愉しめる名山である。

登山道から仰ぐ日留賀岳
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 この山の特異な所は、登山口が民家宅となっていることだろうか。
 日留賀岳の山守りである小山氏宅の駐車場に車を停め、母屋の前庭をよこぎり、玄関先で登山者名簿に記帳しての登山開始となる。

 小山氏宅の裏にある鳥居をくぐり、竹林を過ぎ、落葉広葉樹の雑木林を登ること30分程で送電鉄塔に出る。

鉄塔までの登山道の様子
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 送電鉄塔から30分程、平坦なシラン沢林道を歩き、林道終点から左の登山道へ入る。

シラン沢林道(一般車両通行禁止)
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 林道終点からの登山道は、落葉広葉樹の明るい樹林帯で、この時期新緑が美しい。

新緑の眩しい登山道
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 新緑眩しい広葉樹林からカラマツの林を過ぎるとふくべの曽根と呼ばれる尾根の急登となる。やがて、ヒノキの一種のアスナロの樹林帯へ入る。

アスナロの森
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 アスナロの森を抜けると二段構えの木製の鳥居が現れる。
 ここまでおよそ2時間半、鳥居を過ぎるといったん下るが、下りきったところがシラン沢乗越と呼ばれる鞍部となる。ここからやっと日留賀岳本体へ取り付くことになる。

二段構えの鳥居
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 シラン沢乗越から、しばらくの間ブナの目立つ明るい尾根筋を歩るく。
 足下には行者ニンニクが群生し、様々な高山性の植物が花をさかせている。

鳥居から日留賀岳へ続く尾根
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行者ニンニクの群生
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タケシマラン
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 山頂への最後の急登にかかると、登山道は一辺して藪が濃くなる。
 笹藪に悩まされながら、シラビソやツガ、シャクナゲの根を足がかりの急登となる。

 足下に咲く様々な花々が救いである。

イワナシ
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ヒメイチゲ
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ショウジョウバカマ
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 登山開始からおよそ4時間で、日留賀岳山頂へ到着。
 山頂からは360度の大展望が愉しめる。

日留賀岳山頂
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山頂からの眺望(男鹿山塊・塩那スカイラインが痛々しい)
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山頂直下からの眺望(高原山)
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 帰路は往路を下ることになるが、3時間で小山氏宅へ到着する。
 ちょうど小山氏宅の裏の林では、絶滅危惧種のクマガイソウが見頃を迎えていた。

クマガイソウ
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2012.05.20

塩沢山(しおざわやま)

 五十里湖と中三依の中程、国道121号線(会津西街道)の東に聳える塩沢山(標高1264メートル)を訪れた。
 塩沢山は訪れる人も少なく、頂上直下に巨大ブナが点在する静かな山である。

頂上直下の巨大ブナ
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 登山口は国道121号線沿いにあり、すぐ近くの「独鈷沢ふれあい広場」の駐車場に車を停めることができる。

登山口
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 登山口からはしばらく植林されたスギ林の中を進む。
 やがて清水の流れる沢を渡り、広葉樹の明るい斜面を登りつめ、尾根に取り付く。
 この斜面にはホウノキが多く、尾根に近づくにつれショウジョウバカマやイワウチワなどが群生している(既に花期は過ぎているが・・・)。

道標に導かれ沢を渡る
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 尾根に取り付いたら左に折れ、930メートルのピーク目指して直登する。
 途中で、右手のヒノキ林を登る一般コースと、尾根を直登する健脚コースに分岐するが、迷わず健脚コースを選択。ヒノキ林の一般コースは狭く足場が悪く、まったくおもしろみに欠ける。

分岐
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 930メートルのピークには、壊れかけているがベンチが設けられており、小休止にはよい場所である。樹林の若葉ごしに、正面には1100メートルのピークが、右奥には塩沢山が望まれる。

930メートルピーク
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 930メートルピークからいったん下降し、九十九折りの登山道を登ると1100メートルピークへ出る。
 1100メートルピークからいったん下降し、ミヤコ笹の中のトレイルを進むと、ブナの大木が目に付くようになる。ブナの林は頂上直下まで続いている。

頂上直下のブナの林
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 塩沢山の頂上は、笹に覆われているものの、三等三角点と山名板が掲示されており、高原山を望むことができる。

塩沢山の山頂
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頂上からの高原山
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 足下の春の花は花期を過ぎていたが、頭上にはトウゴクミツバツツジやヤマツツジが咲いており、ナラやブナの新緑に彩りを添えていた。

トウゴクミツバツツジ
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ヤマツツジ
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 稀にこんなものも・・・・・
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2012.05.12

芝草山(しばくさやま)

 中三依の奥に聳える栃木百名山の芝草山(標高1342メートル)を訪れた。

 国道121号線、いわゆる会津西街道の中三依から、入山沢沿いの舗装道路を進んで行くと、中の沢林道との分岐に出る。その分岐周辺に車数台が駐められる駐車スペースがあるので、そこが登山の出発点となる。

入山沢
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駐車スペース
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 分岐周辺に車を停め、舗装道路を少し歩くと、右側に小さな道標と登山ポストが現れ、ここが登山口となる。

登山口
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 整備された登山道をつづら折りに登って行く。

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 チゴユリが咲いていた。

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 33番鉄塔からは、送電線下の巡視路を34番鉄塔方向へ進むが、途中で右側に小さな道標が現れるので、巡視路から離れ、尾根を歩く。

巡視路から登山道への分岐
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 尾根沿いには広葉樹林が広がり、新緑が美しく、トウゴクミツバツツジやヤマツツジが咲き出していた。

トウゴクミツバツツジ
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 やがて目の前に巨大な岩壁がたちはだかるが、ここが唯一の難所「大岩」である。

 大岩をロープを頼りに慎重に登る。

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 大岩から緩やかな傾斜となり、ブナの巨木や林床に咲くイワウチワを楽しながら登って行く。最後に頂上直下が急登となるが、急登を越えると芝草山山頂へ到着する。

イワウチワ
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芝草山山頂
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 みぞれ交じりの小雨が降るあいにくの天候で、頂上からの眺望を楽しむことはできなかったが、静かな山旅を楽しむことができた。

 栃木百名山82座登頂

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2012.05.05

アカヤシオ咲く月山(がっさん)

 上塩原の若見山から下山したがちょうど9時、このまま帰ったのではもったいないと、アカヤシオが見頃を迎えているだろう日光(栗山)の月山を訪れた。

月山のアカヤシオ(後ろは女峰山)
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 中三依から五十里湖を抜け、登山口となる栗山ダムを目指す。栗山ダム前の広場の駐車場は広く整備されている。

栗山ダム広場
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 駐車場から、「バーベキュー広場」を目指して林道をしばらく歩く。バーベキュー広場に出たら、すぐ左手の笹の斜面が登山口である。

 笹の斜面をロープを頼りに急登し、左手に栗山ダムを望みながら、やせた尾根を登りつめる。

栗山ダム
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 尾根筋にはショウジョウバカマが咲いていた。

ショウジョウバカマ
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 肝心のアカヤシオはというと、例年4月下旬から見頃になるようだが、今年はいまひとつのようで、ピンクの花のトンネル歩きとはいかなかったのが残念である。

アカヤシオ
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 月山山頂は狭いが眺めは良く、高原山や日光連山(女峰山)を望むことができる。

月山山頂
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 帰路は栗山ダムサイトへの下山路をとったが、うれしいことにヤマエンゴサクと出会うことができた。

ヤマエンゴサク
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 「栃木百名山」81座目の山となった。

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イワウチワ咲く若見山(わかみやま)

  この時期(4月末~5月始め)、イワウチワの群落がピンクの花を付け、訪れる登山者を迎えてくれる若見山(標高1126メートル・栃木百名山)を訪れた。

イワウチワ
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 塩川温泉街から国道400号を会津田島方面へ向かい、上塩原スノーシェルターを抜けたすぐ右側に若見山(標高1126メートル)の登山口がある。
 登山口の道を挟んだ反対側に、5台程度駐められる駐車場がある。

登山口
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 スギが植林された林の中をジグザグに登って行く。植林地内にはスミレやヒトリシズカが咲いていた。

ヒトリシズカ
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 植林地を抜けると東電の鉄塔(18号鉄塔)の下で尾根に出るが、この鉄塔の直下からイワウチワの群落が姿をあらわす。

イワウチワ
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 すでに花期は終わりを迎えていたこと、また2日続いた雨と風のため花弁が飛ばされた花が多かったらしく、見事な群落というわけにはいかなかったが、それでも鉄塔から山頂へ向かう尾根筋では、可憐な淡いピンクの花をところどころで見ることができた。
 おそらく今年は4月末ごろが花の見頃ではなかったか。

 イワウチワを楽しみながら尾根道を進むと、カタクリの咲く分岐へ出るが、右へは曲がらずそのまま直登した方がよい。

 山頂付近にはブナが多く、新緑の美しさを想像させられるが、眺望はなく、山名板がやたらと掲げられていた。

若見山の山頂
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 G・Wの渋滞を避けるため、朝の6時から登り始めたが、山頂までは、ゆっくり歩いて1時間30分程度、下山には1時間程度かかった。
 ちょうど「栃木百名山」80座目の山となった。

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