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June 2012

2012.06.30

白笹山(しらざさやま)

 栃木百名山で、那須連山(主峰:茶臼岳・最高峰:三本槍岳)の西端に位置する標高1719メートルの白笹山を訪れた。

白笹山(麓の沼原湿原より)20120630001

 白笹山へは、那須の表玄関茶臼岳のロープウェイ山頂駅から南月山を経て、山頂に至るコースもあるが、今回は、沼原湿原の駐車場に車を停め、山頂を往復した。

 駐車場に車を停め、トイレ横にある登山口から登山開始となる。
 最初は、比較的平坦なトレイルを歩いていくが、コメツガやモミの原生林に入り、巨石のゴロゴロする空沢の沢名川を横切ると、頂上までの急登となる。

沢名川(普段は見ずが流れていない)
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 途中、ところどころで視界が開け、青々と水をたたえた沼原調整池や、その向こうに連なる大佐飛山の山並みを見ることができた。

沼原調整池と大佐飛山(雲にかくれている・・・)
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 頂上までの登山路には、特に危険な箇所もなく、シャクナゲやシロヤシオが多く、既に花は散っていたが、花の季節にはさぞや見事な花のトンネルになるのではないか。

山頂へ続く登山道
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 それでも、登山路沿いには、ゴゼンタチバナやツマトリソウなど、初夏の花が出迎えてくれた。

ゴゼンタチバナ
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ツマトリソウ
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 山頂は、藪に覆われ、全く眺望が利かないのが残念であるが、山頂直下からは、那須連山の主峰茶臼岳や大倉山を眺めることができた。

白笹山山頂
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 沼原の駐車場から山頂まで、およそ1時間30分、下山に1時間程度。
 下山後は、日光キスゲの咲き出した沼原湿原を散策した。

沼原湿原に咲く日光キスゲ
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オダマキ
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 特別に珍しい訳でもないが、ネバリノギランも咲いていた。
 花はこれ以上は開かず、またランという名前がついているにもかかわらず、ユリ科の植物という、ちょっと変わった草花だ。

ネバリノギラン
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2012.06.24

台倉高山

 栃木県と福島県の県境にそびえる「栃木百名山」の台倉高山(標高2067メートル)を訪れた。

台倉高山(ピラミッド型の静かな山)
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 檜枝岐村で、国道352号線を左に折れ、舟岐川沿いの林道「川俣檜枝岐線」を、登山口となる県境の馬坂峠目指して約40分程走る。林道は比較的整備されており、普通車でも問題なく通行できる。
 馬坂峠には駐車場とトイレが整備されている(トイレは今年から新しくなった)。
 折りしも、第7回帝釈山・台倉高山「オサバ草祭り」が、6月9日から本日24日まで開催されており、檜枝岐観光協会の方々が記念品のピンバッジを配布するなどしていた。

馬坂峠(台倉高山と帝釈山の登山口となる)
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 この馬坂峠は、台倉高山と帝釈山の登山口となるが、ほとんどの人が帝釈山を登るようで、目指す台倉高山はとても静かな山だった。

 帝釈山に比べて地味な登山口からシラビソの樹林帯へ入る。
 登山口からオサバ草が咲いていたが、群落と呼べるほどのものに出会うことはできなかった。

馬坂峠登山口
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オサバ草
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 オサバ草咲くシラビソの樹林帯をゆっくりと登っていくと、途中でサンカヨウの花が出迎えてくれた。

シラビソ林の中のトレイル
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サンカヨウ
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 また、可憐なミツバオウレンも、オサバ草に劣らないくらい目にすることができた。

ミツバオウレン
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 登り始めて1時間程で、「三段田代」と呼ばれる小さな湿原に出る。
 湿原では、ちょうどタテヤマリンドウが見頃を迎えていた。

三段田代(奥に日光連山が見える)
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タテヤマリンドウ
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 三段田代を過ぎると、また樹林帯の中を登っていくが、あちこちに雪が残り、雪溶け水で登山路はグチャグチャになっている。
 しかし、雪どけした林床からは、キクバオウレンが小さな花をのぞかせていた。

キクバオウレン
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 登山道沿いに咲く花々に励まされながら、さらにアップダウンを繰り返すと前方にピラミッド型の台倉高山のピークが見えてくる。
 頭上にはミネザクラが花を咲かせていた。

ミネザクラ(季節はずれの花見・・・)
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 頂上直下、約15分程度急登すると、三等三角点の置かれた、360度の大展望が愉しめる山頂へ出る。
 山頂からは、尾瀬の燧ヶ岳や至仏山、会津駒ヶ岳や、日光連山などがぐるりと見渡せる。

台倉高山山頂(後ろに燧ヶ岳)
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会津駒ヶ岳
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今越えてきた小ピークたち(帝釈山や田代山も見える)
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 山頂直下にはシャクナゲが多く、ちょうど薄ピンク色のハクサンシャクナゲが咲いていた。

ハクサンシャクナゲ
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 山頂での眺望を楽しんだ後は、往路を戻ることになる。
 登山口から往路2時間、復路1時間40分程の行程となるが、久しぶりに花が多く、疲れを感じることがなかった。

 登山口へ戻ると、駐車場は満杯で、駐車場に車を停めることができなかった車輌が、林道沿いにあふれていた。駐車場の混雑を予想して、早めに家を出たのが良かった。

 最後に、檜枝岐観光協会の人に記念品のピンバッジを頂くことができた。

ピンバッジ
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 来るときは気づかなかったが、林道沿いではノビネチドリが咲いていた。

ノビネチドリ
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2012.06.10

弥太郎山(やたろうやま)

 塩原温泉の北に聳える弥太郎山(標高1392メートル)を訪れた。

 塩原温泉の奥、木の葉化石園の脇をとおり、山の斜面に刻まれた塩那道路を登っていくと、駐車場の整備された土平へ出る。ここが登山口となる。
 塩那道路はここから先は通行止めで進入することはできない。また、塩原からこの土平までの区間も通行できるのは朝8時から午後6時までであり、注意が必要。

新緑の眩しいカラマツ林の中を弥太郎山目指して登る
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 さて、土平の駐車場(10台程度駐車可)に車を停め、駐車場の奥にある登山口(わかりずらい)から登山を開始する。

土平駐車場
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登山口(駐車場の奥から入山する)
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 弥太郎山への登山路は、東電の送電線鉄塔の巡視路になっている。そのよく整備された、カラマツの新緑が眩しい登山路を九十九折りに登ると、9号鉄塔と8号鉄塔の分岐に出る。
 どちらへ入ってもやがて道は合流するが、高原山の展望の愉しめる9号鉄塔を目指す。

9号鉄塔からの高原山
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 9号鉄塔から8号鉄塔を目指して進む。
 8号鉄塔も好展望地であり、晴れていればこの間登って日留賀岳や高原山、そしてこれからむかう弥太郎山を間近に見ることができる。

 登山道には、ユキザサやマイズルソウが白い花をつけていた。

ユキザサ
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マイヅルソウ
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 また、林床のあちこちに、ギンリュウソウがその不気味な顔をだしていた。

ギンリュウソウ
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 8号鉄塔から登山道へもどり、弥太郎山を目指す。
 弥太郎山の山頂は、7号鉄塔の手前の藪から左へ入る。道標等はないが、赤テープと踏み跡でそれと分かる。

 山頂直下には大きなブナの木があり、弥太郎ブナと呼ぶべき巨木で、山の主のような存在である。

ブナの巨木
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 ブナの脇を過ぎるとまもなく三等三角点の置かれた山頂へ出る。
 残念ながら山頂からの眺望は得られない。

弥太郎山の山頂
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 それにしても、雲の間から薄陽がさすと、山全体がジィー・・・という春ゼミの鳴き声に包まれる。登山路脇の木々には、春ゼミの抜け殻が・・・・・。

春ゼミの抜け殻・・・
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