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2012.07.15

平ヶ岳(ひらがだけ)

 新潟県と群馬県の県境に悠然とそびえる平ヶ岳(標高2141メートル)を訪れた 

 利根川と只見川を分ける分水嶺にあたり、利根源流の最奥に位置する平ヶ岳は、その山名のとおり長く平らな頂きを持ち、山上の湿原に池塘が点在する別天地であり、深田久弥の日本百名山にも選ばれている今なお奥深い秘峰・名峰である。

平ヶ岳の象徴 玉子石
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 只見川沿いの鷹ノ巣登山口には、20台程度の駐車場とトイレが整備されており、国道352号線を使って福島県檜枝岐村方面から入る。
 国道352号線は、昨年度の自然災害で大打撃を受け、今なお災害復旧工事が随所で行われている。

鷹ノ巣登山口
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 登山口から、しばらく林道を進み、下台倉沢に架かる丸太橋を渡り、登山道へ入る。

下台倉沢を渡る
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登山道の入口
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 ヤセ尾根を急登することおよそ3.3キロ、約2時間で、下台倉山(1604メートル)へ出る。 

下台倉山目指してヤセ尾根の急登
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 下台倉山の山頂には、山名を示した標柱が立てられ、平ヶ岳へ7.2キロの掲示がある。
 下台倉山から台倉山(標高1695メートル)はなだらかにアップダウンを繰り返す尾根上のトレイルで、左に尾瀬の燧ヶ岳を望むことができる。

 やせ尾根上には、ツツジの仲間では最も小さな花をつけるコメツツジが咲いていた。

コメツツジ
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下台倉山から台倉山へ
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 下台倉山から台倉山への登山道沿いには、ハクサンシャクナゲが咲いていた。

ハクサンシャクナゲ
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 台倉山からは樹林帯へ入り、ぬかるんだ登山道のアップダウンとなる。台倉清水・白沢清水を過ぎ、樹林帯を抜けると池ノ岳へ登山道が続いている。

 この樹林帯の林床では、ゴゼンタチバナやツマトリソウ、マイズルソウの群落やユキザサの群落が目立っていた。

マイズルソウの群落
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ユキザサ
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池ノ岳へのトレイル
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 樹林帯を抜けての池ノ岳への急登では、イワハゼやタカネニガナが疲れを癒してくれた。

イワハゼ
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タカネニガナ
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 池ノ岳の頂上から平ヶ岳の頂上までは、池塘の点在する湿原が広がっており、ちょうどこの時期高山植物が色とりどりの花を咲かせていた。

姫ノ池
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頂上に広がる大湿原(残念ながらガスが晴れない)
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天上の湿原に咲く花々

ヒメシャクナゲ
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イワイチョウ
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チングルマ
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ハクサンコザクラ
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イワカガミ

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 なかにはシロ花のタテヤマリンドウも咲いていた。珍しい・・・

シロバナタテヤマリンドウ
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 平ヶ岳山頂はシラベの林に囲まれた場所にあり、二等三角点が置かれている。
 山頂までは、鷹ノ巣登山口からおよそ6時間、11キロの山歩きで、非常に疲れた。

日本百名山 平ヶ岳山頂
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 山頂からの帰路は、平ヶ岳のシンボル玉子石まで足を伸ばした。
 玉子石までは分岐から1キロ程度の距離だが、途中にはまだ雪渓が残っている。
 この雪渓からとけ出す清水が甘露である。水場沿いにはオオバキスミレだろうか、黄色のスミレが咲いていた。

オオバキスミレ
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雪渓の上を玉子石目指して歩く
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平ヶ岳のシンボル 玉子石
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 玉子石は、丸い玉子型の石が二つ縦に積み重なり、まるで雪だるまのような形状をしているが、別々の石が重なっているのではなく、元々ひとかためりの花崗岩が、長い年月の間に風化してできあがったものらしい。

 それにしても、今にも倒れそうな雰囲気である。

 玉子石から姫ノ池めもどり、意を決して鷹ノ巣までの長い長い下りを戻ることになる。

この尾根上をひたすら下る
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 鷹ノ巣登山口に前夜泊し、出発したのが午前3時50分、およそ6時間で山頂へ。
 山頂の湿原や玉子石散策で1時間、下山におよそ6時間、都合13時間の平ヶ岳への山旅であった。それにしても疲れ果てた・・・。
 

 
 

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