鬼怒沼山へ
赤や黄に色づく秋の景観を静かに愉しむ場所はないものかと、その山深さから訪れる人もまばらな奥鬼怒の秘境「鬼怒沼」と、栃木百名山の「鬼怒沼山」を訪れた。
女夫渕温泉の無料駐車場に前夜泊し、夜のまだ明けぬ5時に出発。
ツキノワグマの気配におびえながら、ヘッドランプの灯りだけを頼りに、鬼怒川沿いのトレイルを進む。
鬼怒川の源流、目的地の鬼怒沼山までは10キロ以上の行程だ。
女夫渕から、およそ1時間30分程で、奥鬼怒温泉郷に着く。
八丁の湯・加仁湯・日光沢温泉と、趣のある3軒の秘湯が並んでいる。
奥鬼怒温泉郷では、色とりどりの紅葉による「錦繍」の美しい光景を愉しむことができた。
最奥の日光沢温泉を出ると、登山道はやがてつづら折りの急登となる。
およそ2時間で鬼怒沼に到着する。
鬼怒沼は標高2000メートルを超える高層湿原として、多くの池塘を抱え、鬼怒川の源流とされている。
湿原には木道が整備され、南に日光白根山や根名草山、北に尾瀬の燧ヶ岳、そして東に鬼怒沼山を望むことができる。
鬼怒沼から鬼怒沼山までは、およそ1時間。
残念ながら山頂からの眺望は望めない。
鬼怒沼山からは、往路を戻ることになるが、女夫渕の駐車場へ戻ったのが1時30分。
全行程20キロ以上、8時間30分の山旅となった。