袋田 生瀬富士と月居山
「花紅葉よこたてにして山姫の錦織り出す袋田の滝」と西行法師が詠んだ錦秋の袋田の滝を抱え込むように、その両側にそびえる二つの名峰、「生瀬富士」と「月居山」を訪れた。
昨年、名瀑袋田の滝を鑑賞した後に登った月居山(前山)から、滝を挟んで対面に見えた生瀬富士の存在が気になっていた。
ガイドブックによると「最近はほとんど登られていない。熟練者はともかく一般ハイカーが対象にする山ではないと思われる。」(山渓・新分県登山ガイド改訂版・茨城県の山)とのことであったため、これまで登らずにきた。
しかし、なんと「岳人11月号」で生瀬富士が紹介されているではないか・・・。
ということで、さっそく袋田へ。
見返橋手前、町営袋田第一駐車場へ車を停め、道路を挟んで駐車場反対側左手にある「生瀬富士登山口」の案内板に導かれ、登山口へ。
袋田の滝周辺の混雑を心配して、早朝6時30分に駐車場へ着いたが、他に1台の車が止まっているだけだった(10時30分ごろ駐車場へ戻ったときには満車状態)。
最初は緩やかな勾配を登っていくが、しだいに本格的な登りとなり、途中数ヶ所ロープやクサリを頼りによじ登る岩場もあった。
生瀬富士(標高420メートル)の山頂には、およそ1時間で到着。頂上からは先週登った奥久慈の名峰男体山へ続く山稜がはっきりと見える。
頂上からは、一度急下降し、再び登り返し立神山山頂へ。
立神山山頂からは、今歩いてきた生瀬富士を一望することができる。
立神山山頂からアップダウンを繰り返し、袋田の滝上へ向かう。
立神山から下降中に、めずらしい?花を見つけた。オヤマボクチと呼ばれるキク科の植物らしい。
足下の切れ落ちた岩稜上から袋田の滝を見下ろすと(危険注意)、錦秋の月居山を背景に袋田の滝の全景を見ることができる。
袋田の滝の展望を愉しんだら、一気に生瀬滝の上流の渡渉ポイントまで急下降する。
川の中のコケのついて石は滑りやすいが、慎重に水の浅い場所を選んで対岸の民家の下まで渡渉する。
民家の玄関先からすぐ右手の笹藪の中のうっすらとしたトレイルに取り付くと、すぐに登山道が二股に分かれる。川沿いに右へ進むと生瀬滝へ。右へ進まず左へ登りつめて行くと、袋田の滝から月居山への階段状の整備された登山道と合流する。
この合流地点から少し登って所から生瀬富士の全景が見渡せる。
月居山(前山)のピークからいったん下降すると、月居観音堂と光明寺(廃寺)跡の鐘撞き堂のある鞍部へ出る。
ここからまたまた登り返すと、本日最後の目的地である月居山(後山)山頂へ到着する。
月居山山頂は、展望は得られないが、月居城の跡地であり休憩には絶好のポイントになっている。
月居山山頂から鞍部へ戻り、そこから古道・七曲がりを経て見返橋へと進む。
ちょうど見返橋手前のリンゴ園では、真っ赤なリンゴが実っていた。
袋田の滝を囲む山々を縦走するこのコースは、茨城県内随一の名コースではなかろうか。
町営駐車場から生瀬富士→立神山→袋田の滝上→生瀬滝→月居山(前山)→月居山(後山)→町営駐車場まで、紅葉を楽しみながら4時間30分の山旅だった。
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