荒船山
群馬県と長野県の県境、西上州にその特異な山容を見せる荒船山(標高1423メートル)を訪れた。
群馬県側から眺める荒船山は、西上州のやまなみを行く舟のようで、南端の、最高地点の経塚山を艦橋に、北に続く平らな山頂部が甲板、そして北端の切れ落ちた岩壁(艫岩:ともいわ)が船首に見立てられている。
群馬県側の内山峠の登山口駐車場に車を停め、駐車場奥からアップダウンを繰り返しながら、除々に標高を上げていく。
軽いアップダウンを繰り返し標高を上げる
まだ荒船山には、春の陽気が届いていないようで、早春の花もその姿をほとんど見せず、むしろ日陰の霜柱や氷柱が目に付いた。
登山道脇の巨木のむろでは、日本ミツバチが巣作りにかいそがしく飛び回っていたが、よく見ると、その密を奪おうとした熊の爪や牙の跡が見て取れる。
ミツバチの巣の入口
途中、山肌がくずれて足場の悪い箇所や岩場を通らねばならないが、慎重に登ればそれほどのことはない。
鋏岩(はさみいわ)修験道場跡の洞くつを経て、清水が流れる一杯水と呼ばれる水場を過ぎると岩場の急登となるが、まもなく岩壁頂上の溶岩台地へと出る。
岩壁頂上部は、ササ原がひろがる平坦な台地で、案内板に従って進めば展望台である艫岩(ともいわ)へ到着する。登山口からおよそ1時間30分程だろうか。
ここには避難小屋(無人)もあり、トイレも一部使用可能となっている。
足がすくむ200メートル切れ落ちた大岩壁の艫岩展望台からの眺めは圧巻で、右手に妙義山、左手奥に北アルプスの山々、そして正面北側に浅間山が特に美しい。
艫岩での眺望を楽しんだら、頂上台地の平坦な登山道を南へ向かい、山頂の経塚山を目指す。
途中、広葉樹とササ原のひろがる中、「皇朝最古修武之地」と記された石碑がポツリと立っている。故事の神話に拠り昭和初期に地元民によって立てられたらしい。
また、鹿の食害・角研ぎの被害にあって、樹皮が剥がれた痛ましい木々が目についた。
艫岩からおよそ30分、木々に囲まれ、石祠の立つ経塚山山頂へ到着する。
経塚山山頂
西側、木々の枝の間から雪をかぶった南八ヶ岳のやまなみが見える。
復路は来た道を戻ることになる。
往路2時間、復路も2時間程度の行程であった。
« カタクリ咲く筑波山 | Main | 筑波山 »
「トレッキング・登山」カテゴリの記事
- クリンソウ満開の千手ヶ浜へ(2024.06.09)
- 奥日光~芽吹き~(2024.05.12)
- 奥久慈トレイル ~明山へ~(2024.05.04)
- 春の奥日光・中禅寺湖畔ウォーク(2024.05.05)
- 新緑の難台山(2024.04.29)