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August 2013

2013.08.16

霊峰月山

 山形県のほぼ中央に位置し、牛の背、または半月型にたとえられる、その優美な姿から臥牛山とも呼ばれる月山(標高1984メートル)を訪れた。

お花畑に咲くチングルマ
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 登山口は、南面の姥沢から。
 月山スキー場のリフトを利用して一気に標高約1500メートルの姥ヶ岳直下まで登る。

月山スキー場リフト乗り場
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 リフトを降りると、右手に月山が望まれるが、深田久弥がその著書「日本百名山」で、「どんな山でも頂上のあたりはいくらか鋭く立っているものだが、月山にはそれがない。撫でたような緩やかな線であった。」と書いているように、その山容は伸びやかで優しい。

月山へと続く木道
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 さて、正面の姥ヶ岳へは登らずに、カール状に開けた広大な斜面へと下っていく。
 このカール底のような広大な斜面は一面がお花畑となっており、ニッコウキスゲ、チングルマ、コバイケイソウ、ヒナザクラなど様々な植物が花を咲かせていた。

コバイケイソウ
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ヨツバシオガマ
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ヒナザクラ
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 途中、雪渓をわたり、月山へ続く稜線上の牛首へ出る。

雪渓を登り稜線上を目指す
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 牛首から稜線上を山頂目指して急登する。

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 社のある鍛冶小屋跡を経て頂上台地へと出ると、山頂は濃い霧に包まれ、あたりがまったく見えない。

 平坦で広い山頂の台地には、お花畑が広がり、ハクサンイチゲやチングルマ、ハクサンフウロなどが咲いているなか、左手に頂上小屋と月山神社が建つ。

山頂小屋
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山頂台地に咲くハクサンイチゲ
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月山神社
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 月読命(つきよみのみこと)を祀る月山神社でお詣りをすませたら、往路を戻る。

月山からの復路、広大なお花畑と雪渓、正面最奥が姥ヶ岳
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 月山の山頂はあいにく濃い霧に包まれ、眺望を楽しむことはできなかったが,今なお山岳修験の盛んな月山神社をお詣りできたことは貴重な体験であった。
 

<行程(休憩含)>
月山スキー場リフト上駅(7:40)→牛首(8:40)→頂上台地(9:20)→月山神社(9:30)→リフト下駅(12:00)

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2013.08.15

花と残雪の鳥海山

 秋田と山形の県境に位置し、日本海からすくっと立ち上がる秀麗な姿から、出羽富士・秋田富士とも称される鳥海山(標高2236メートル)を訪れた。
 前回訪れたときは、濃い霧におおわれ、全く何も見えないなかでの登山となったが、今回は雲一つない青空のもと、雄大な景観と豊富な残雪、そして華麗な高山植物を楽しむことができた。

雪渓が残る御浜から、鳥海湖と鳥海山を望む
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 前日に多くの観光客でにぎわう鉾立に入り、日本海へ沈む夕陽と星空を眺めながら車中泊する。

鉾立から、日本海へ沈む夕陽を眺める
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 翌朝4時30分に鉾立登山口から山頂目指して出発、石畳の道をゆっくりと登って行くと、雪どけ水が逃れる賽ノ河原で、さっそく雪渓や花が出迎えてくれる。

賽ノ河原の雪渓
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 賽ノ河原では、ニッコウキスゲ、イワカガミやチングルマ、ヨツバシオガマ、コバイケイソウ、ウサギギク、ツマトリソウ、キンコウカなどの様々な高山植物が咲いていた。

ニッコウキスゲ20130815007

チングルマ
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 賽ノ河原をぬけ、稜線目指し斜面を急登すると、御浜小屋に着く。
 この御浜は、鳥海湖と鳥海山が一望できる好展望地で、休憩にはもってこいの場所である。

御浜小屋
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鳥海湖
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 特にあたりは広大なお花畑となっており、薄紫のハクサンシャジンが群生している。また、ところどころではあるが、白いハクサンイチゲを見ることもできた。

ハクサンシャジン
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ハクサンイチゲ
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 御浜からは、右手に鳥海湖、正面に鳥海山を仰ぎながらのなだらかな稜線歩きとなる。

ニッコウキスゲが群生する扇子森の稜線歩き
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 コースが分岐する七五三掛で、左手の千蛇谷へと下りて行く。

千蛇谷への降下
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 千蛇谷からは外輪山の荒々しい岩稜と雪渓が眼前に展開し、目指す鳥海山の頂きもはっきりと見えてくる。

千蛇谷の雪渓と鳥海山
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 千蛇谷雪渓を横断し、鳥海山の頂きを仰ぎ見ながら、急な岩路をジグザグに進むと、山頂直下の大物忌神社に到着する。

大物忌神社
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 ここに荷物を置き、鳥海山の山頂である新山へ、巨岩が累々と積み重なる岩壁を、ペンキの目印を頼りに登って行く。

大物忌神社から見上げる新山山頂
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巨岩の積み重なる壁をよじ登る
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 新山山頂は狭いが、360度の大展望が楽しめる。

 山頂からは、目印に従って、200メートルあまり切れ落ちている火口内壁を正面に見ながら、大物忌神社の裏手へ降りる。神社からは登ってきた道を下ることになる。

 大物忌神社周辺には、鳥海山の名を冠したチョウカイフスマやイワブクロが咲いていた。

チョウカイフスマ
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イワブクロ
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 途中、御田ヶ原分岐で左へ折れ、鳥海湖畔をめぐりながら御浜小屋を目指す。

御田ヶ原から鳥海湖畔へトレイルがのびる
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鳥海湖と鳥海山
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 鳥海湖を一周するように御浜小屋へもどり、御浜小屋からは賽ノ河原を経て鉾立へと登ってきた道を下っていく。

<行程(休憩含)>
鉾立登山口(4:30)→賽ノ河原(5:30)→御浜小屋(6:00)→千蛇谷(7:20)→大物忌神社(8:20)→新山山頂(9:00)→鳥海湖南岸(11:40)→賽ノ河原(13:00)→鉾立(14:00)

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