花と残雪の鳥海山
秋田と山形の県境に位置し、日本海からすくっと立ち上がる秀麗な姿から、出羽富士・秋田富士とも称される鳥海山(標高2236メートル)を訪れた。
前回訪れたときは、濃い霧におおわれ、全く何も見えないなかでの登山となったが、今回は雲一つない青空のもと、雄大な景観と豊富な残雪、そして華麗な高山植物を楽しむことができた。
前日に多くの観光客でにぎわう鉾立に入り、日本海へ沈む夕陽と星空を眺めながら車中泊する。
翌朝4時30分に鉾立登山口から山頂目指して出発、石畳の道をゆっくりと登って行くと、雪どけ水が逃れる賽ノ河原で、さっそく雪渓や花が出迎えてくれる。
賽ノ河原の雪渓
賽ノ河原では、ニッコウキスゲ、イワカガミやチングルマ、ヨツバシオガマ、コバイケイソウ、ウサギギク、ツマトリソウ、キンコウカなどの様々な高山植物が咲いていた。
賽ノ河原をぬけ、稜線目指し斜面を急登すると、御浜小屋に着く。
この御浜は、鳥海湖と鳥海山が一望できる好展望地で、休憩にはもってこいの場所である。
鳥海湖
特にあたりは広大なお花畑となっており、薄紫のハクサンシャジンが群生している。また、ところどころではあるが、白いハクサンイチゲを見ることもできた。
御浜からは、右手に鳥海湖、正面に鳥海山を仰ぎながらのなだらかな稜線歩きとなる。
ニッコウキスゲが群生する扇子森の稜線歩き
コースが分岐する七五三掛で、左手の千蛇谷へと下りて行く。
千蛇谷からは外輪山の荒々しい岩稜と雪渓が眼前に展開し、目指す鳥海山の頂きもはっきりと見えてくる。
千蛇谷雪渓を横断し、鳥海山の頂きを仰ぎ見ながら、急な岩路をジグザグに進むと、山頂直下の大物忌神社に到着する。
ここに荷物を置き、鳥海山の山頂である新山へ、巨岩が累々と積み重なる岩壁を、ペンキの目印を頼りに登って行く。
新山山頂は狭いが、360度の大展望が楽しめる。
山頂からは、目印に従って、200メートルあまり切れ落ちている火口内壁を正面に見ながら、大物忌神社の裏手へ降りる。神社からは登ってきた道を下ることになる。
大物忌神社周辺には、鳥海山の名を冠したチョウカイフスマやイワブクロが咲いていた。
途中、御田ヶ原分岐で左へ折れ、鳥海湖畔をめぐりながら御浜小屋を目指す。
鳥海湖を一周するように御浜小屋へもどり、御浜小屋からは賽ノ河原を経て鉾立へと登ってきた道を下っていく。
<行程(休憩含)>
鉾立登山口(4:30)→賽ノ河原(5:30)→御浜小屋(6:00)→千蛇谷(7:20)→大物忌神社(8:20)→新山山頂(9:00)→鳥海湖南岸(11:40)→賽ノ河原(13:00)→鉾立(14:00)
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