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December 2013

2013.12.31

高峰山

 浅間山の西側に連なる山々で、小諸の人々に古くから信仰の対象として登られていた高峰山(標高2106メートル)を訪れた。
 登山口は黒斑山と同じ車坂峠だが、今回は標高2000メートルの車坂峠に建つ高峰高原ホテル裏から入山する。

高峰山への登山口・車坂峠から望む富士山
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 登山口の白い鳥居は半分以上雪に埋もれている。

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 カラマツを中心とした針葉樹林の林の中を登って行くと一つ目のピークに出るが、そこからは高峰山へと続く稜線を一望することができる。

針葉樹林体を登る
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 高峰山へと続く稜線をしばらく進むと粒ヶ平と呼ばれる平坦地へ出るが、ここは高峰温泉からのルートと交差する場所でもある。

粒ヶ平
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 粒ヶ平からさらに進むと最高点を経て巨石群が現れ、その先に小さいながら立派な神社が建っている。また黄銅製の鉾も立っている。
 なお、高峰山は、最高点と三角点の設置場所が異なり、どこを山頂としていいか迷うところである。

高峰山山頂?
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 帰路に、粒ヶ平から高峰温泉へ立ち寄った。
 高峰温泉の車がすべてキャタビラ仕様なのは驚きであった。

高峰温泉
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 そして今回お世話になった高峰高原ホテル
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2013.12.30

黒斑山

 黒斑山は浅間山外輪山の一つで2404メートルの標高を持ち、浅間山の秀麗な山容を眺めることが出来る好展望地ともなっている。
 冬期でも、車坂峠を起点とすることで日帰りで登ることが出来る。

外輪山(旧火口)から望む浅間山
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 まずは車坂峠登山口にある祠に安全を祈る。
 登山口からしっかりと雪が積もっており、12本爪アイゼンとダブルストックの装備で出発する。

車坂登山口にて安全祈願
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 雪はしっかりと踏み固められており、トレースを外さねば雪に足をとられることはなかった。
 まずは車坂山を越えることになるが、凍りついたカラマツの木々が眩しく輝いていた。

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 車坂山からいったん下って次ぎの登りに取り付くが、標高を上げるにつれ、後ろを振り返ると西側の山々を望むことができる。

浅間山の西側の山々:高峰山、東籠ノ登山と水ノ塔山
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 さらに標高を上げていくと、北側には裾野の広い四阿山が、西側には遠く北アルプスが望まれる。

四阿山
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北アルプスの山並み
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 針葉樹林の中を抜けると噴煙を上げている浅間山が突然その姿をあらわす。
 槍ヶ鞘のかまぼこ型シェルターを過ぎ、外輪山のピークの一つである赤ゾレの頭へ出ると浅間山の全容を見ることができる。

赤ゾレの頭から望む浅間山
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 赤ゾレの頭からは右手に浅間山を望みつつ、東側が切れ落ちている外輪山(旧火口)の頂稜を登るとトーミの頭に到着する。

赤ゾレの頭からトーミの頭への急登(奥が赤ゾレの頭)
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 トーミの頭からさらにヤセ尾根を登ると黒斑山のピークに着く。
 黒斑山の山頂は広くはないが、小さな石祠が祀られており浅間山の好展望地となっている。

黒斑山から眺める浅間山
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 黒斑山からさらに奥へ、もう一つの外輪山のピークである蛇骨岳を目指す。
 蛇骨岳へは東側が切れ落ちたヤセ尾根を歩かなければならないが、常に浅間山を望むことができる。

蛇骨岳から見る四阿山
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 蛇骨岳から先にも仙人岳などのピークはあるが、今回はここで来た路を引き返す。

蛇骨岳から黒斑山への稜線(写真左手奥が黒斑山)
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 帰りは、トーミの頭を下りきった所にある分岐を右手に進み、針葉樹林の中を車坂峠へ向かう「中コース」を辿って下山した。
 この日は車坂峠に建つ高峰高原ホテル泊となった。

 

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2013.12.29

美ヶ原

 長野県のほぼ中央、標高2000メートル程に高さに位置する平坦な台地状の高原で、日本百名山にも選ばれている美ヶ原を訪れた。
 美ヶ原は東西4キロ、南北8キロに広がる高原のなかに、2034メートルの玉ヶ頭や2008メートルの玉ヶ鼻など幾つものピークを持っている。

美ヶ原のシンボル「美しの塔」
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 深田久弥は、その著書「日本百名山」で、「全く、桁が外れて広い。美ヶ原の範囲はどこからどこまでを指すのか知らないが、南の茶臼山から北の武石峰まで、広濶な山上の草原が、果てしもないように続いている。さあ、どこでも買ってにお歩きなさい、といった風に続いている。」と記しているが、まさにその広さと眺めには脱帽である。

 現在は、美ヶ原牧場として、また最高地点の玉ヶ頭にはホテルと電波塔が立ち並んでいるため、幾ばくかの目印がないではない。
 また、遭難防止のために立てられた美しの塔も美ヶ原のシンボルとなっている。

果てしなく続く美ヶ原…
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最高地点の玉ヶ頭に立つ玉ヶ頭ホテルと電波塔(まるで要塞のよう…)
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 玉ヶ頭より更に西に進むと、北アルプスが一望できる好展望地の玉ヶ鼻(2008メートル)へ出るが、途中、カラマツの美林や、八ヶ岳や富士山を望むことができる。

八ヶ岳と富士山を望む
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富士山のアップ
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カラマツの美林が白く輝く
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 玉ヶ鼻からの北アルプスの眺めは圧巻である。
 深田久弥も「以前松本平の人々は、美ヶ原を東山、北アルプスを西山と呼んだそうだが、その西山の最重要部分、槍、穂高の連嶺を、東山からまざまざと眺めることが出来る。その豪快な山容を鑑賞するのに、最も適した距離である。その眺めに呆然としてから、目を他へ移すと、別の多くの山々が我も我もと名乗りをあげてくるのに接するだろう。」と記している。
 また、古くは山岳信仰の地として祀られ、立ち並ぶ石像はすべて御嶽山の方角を向いている。

玉ヶ鼻
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玉ヶ鼻の石像(仏やら神やら・・・)
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玉ヶ鼻から北アルプスの眺め
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富士山も名乗りをあげる…
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浅間山まで…
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 美ヶ原の広さと眺めは素晴らしかったが、風を遮るものが何もないため、その寒さは半端がなく、リュックの中の水は数時間のうちにすべて凍りついていた。

凍てついた体を休めた山本小屋
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2013.12.23

奥日光 スノートレッキング

 先週末の19日(木)からの雪で、奥日光では50センチ以上の積雪があり、スノシューで新雪を踏みしめながら歩くにはうってつけのコンディションだろうということで、奥日光を訪れた。

明智平から仰ぐ男体山
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 今日のコースは、スノシューで赤沼から小田代ヶ原へ向かい、小田代ヶ原から折り返して戦場ヶ原を抜けて戻る約4時間のコース。

粉雪の積もった森を抜け小田代ヶ原を目指す
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小田代ヶ原(左から太郎山・小真名子山・大真名子山・男体山)
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男体山と貴婦人をバックに…
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戦場ヶ原
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左から 山王帽子山 太郎山
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左から 小真名子山 大真名子山
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男体山
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戦場ヶ原を流れる湯川
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2013.12.14

鍋足山

 茨城県常陸太田市の里見地区を代表する里山で、三本足の鍋をひっくり返したように三つの峰をもつ鍋足山(標高529メートル)を訪れた。
 鍋足山は標高五百メートルの低山ながら、岩場やクサリ場が連続し、スリルを味わえる山である。

鍋足山:三角点峰への稜線上のピークから撮影(左から本峰・Ⅱ峰・Ⅲ峰)
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 常陸太田市役所里見支所に車を駐め、まずは江戸時代中期の建造といわれる大中神社でお詣りをする。境内には樹齢400年ほどの大杉が御神木として祀られてもいる。

大中神社
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 大中コースの登山口までは、林道をおよそ1.6キロ程歩かねばならないが、その間、ムラサキシキブの実や春蘭の株などが路傍で出迎えてくれる。

とにかく目立つムラサキシキブ
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 登山口にはコースを示す案内板が設置されており、ここから登山道となる。

大中登山口
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 しばらくは植林された針葉樹の林の中の緩い傾斜の登山道を登っていく。
 岩の稜線に出ると一気に視界がひらけ、奥久慈の山々や、遠くは太平洋まで見ることができる。

岩尾根を山頂目指して登る
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 標高529メートルの鍋足山本峰山頂からは、360度の展望を楽しむことができ、日光や高原山、那須連山まで見渡せる。

鍋足山
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 鍋足山本峰から、いったん急下降してⅡ峰・Ⅲ峰をめざす。
 足下の切れ落ちた岩場の急斜面を、クサリを頼りに進んで行く。

本峰からⅡ峰へ
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 最高地点の三角点峰へは、Ⅱ峰とⅢ峰との鞍部から一端下降し、Ⅲ峰を巻くようにして再度登り返し、岩尾根伝いにいくつかのピークを越えていく。

鍋足山本峰を背に三角点峰を目指す
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 標高552メートルの三角点峰には簡易ベンチが設けられており、休憩に適している。
 

三角点峰
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 三角点峰からの復路は、Ⅲ峰直下までもどり、そこから笹原地区を目指して沢沿いに下っていく。今回は途中から鍋足山本峰へ登り返し、登って来た道を大中登山口へ下っていった。

笹原地区への下山路
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 鍋足山では、3月下旬からイワウチワをはじめいろいろな山野草が咲くということなので、次回はぜひ早春に訪れてみたい。

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2013.12.07

福島県 阿武隈山地 霊山(りょうぜん)

 福島県伊達市の観光のシンボルであり、阿武隈山地の秀峰として知られている霊山(りょうぜん)を訪れた。
 山肌の木々はすっかり落葉し、日陰にはうっすらと白い雪が見られるなど、冬本番への準備はすでに整ったようだった。

岩の尖峰が連なる霊山(標高825メートル)
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 霊山の麓、こどもの村最奥にある霊山登山口駐車場に車を駐め、露岩が折り重なる山肌を見上げながら、霊山登山の準備にかかる。
 駐車場には、とてもキレイなトイレが設けられており、登山者用にマップや案内板も整備されている。

 駐車場からしばらくは、落ち葉の敷き詰められた整備された登山道をゆっくりと登っていく。
 登りの途中で、霊山岩峰への入口として「鍛冶屋小屋岩」が出迎えてくれる。

 登りが緩やかになったところで、南と西側の展望に優れた「宝寿台」へ出る。宝寿台の上へは、鉄梯子を登らなければならず、また、岩場の足下は垂直に切れ落ちた崖となっており、ちょっとしたスリルを味わうことができる。

宝珠台
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宝珠台からは阿武隈山地が一望できる
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 続いて、「見下し岩」と呼ばれる展望台(宝珠台と似た岩場)を過ぎ、その先の「国司沢」から見る対岸の岩峰は見応えがあった。

国司沢からの秀景
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 「天狗の相撲場」という岩場はまさに岩柱の上にできた土俵だが、落ちても大丈夫な天狗しか相撲をとることはできないだろう・・・などと考えてしまう。

天狗の相撲場
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 断崖をトラバースする「親不知子不知」を通り、「護摩壇」へ出るも、西の空は雲が低くたれこめて、安達太良山を見ることはかなわなかった。

親不知子不知
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 護摩壇を過ぎると、霊山の歴史の中枢であった「国司館跡」、「霊山城跡」へ出る。
 平安初期に慈覚大師によって開山され東北の霊場の中心として、また南北朝時代には、南朝の北畠顕家が義良親王を報じて国府を開くなどして栄えた霊山の歴史は、落城してから六百年以上たった今日、山中に深く埋もれたままになっている。

霊山城趾
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 城跡から霊山の東側へ回ると、最高地点である「東物見岩」(825メートル)へ出る。
 東物見岩は、その名の通り東側の展望が開け、遠く太平洋まで見ることができる。

東物見岩
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 「学問岩」の先に、三等三角点が置かれた805メートル峰がある。
 霊山の最高峰は東物見岩だが、三角点峰はこの805メートル峰であり、どちらを山頂としているのだろうか。

 「蟻の戸渡り」、「望洋台」、「五百羅漢岩」、「弘法の突貫岩」など、イメージ豊かな名前のついた岩場を次々と通過し、「大山祇神社跡」へ向かう。

 巨大な岩峰の奥に祀られた大山祇神社跡には、小さな石の祠が祀られており、祠の近くからは古銭が見つかった。

大山祇神社跡
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 南側に開けた好展望地の「日暮岩」で休憩していると、突然雪が降ってきたので、急いで下山することになった。

突然の雪
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 今度は、是非紅葉の時期に訪れたいものだ。

 
 

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2013.12.01

奥久慈 湯沢源流から篭岩山へ

 4週連続の奥久慈逍遥、今回は、湯沢をつめて篭岩山(標高501メートル)を目指す。
 このコースは、湯沢をつめるという沢登り的要素と、垂直に近い岩壁を登ったり下りたりするクライミング的要素が両方楽しめる難コース。特に、紅葉の時期は、谷筋で赤や黄色の色鮮やかな紅葉を楽しむことができる。

ラストステージを迎えた湯沢源流の紅葉
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 上山集落の篭岩展望台駐車場に車を駐め、篭岩から一気に湯沢源流まで急降下する。
 篭岩は、長年の風雨によって凝灰岩が浸食され、岩壁が篭の目のようにデコボコになったもので、これから目指す篭岩山とはまったく別の物である。

篭岩展望台から:右の岩壁が「篭岩」
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 湯沢源流までの急斜面は、クサリやロープが連続する難コースで、一部崩落している箇所もある。

篭岩から湯沢源流へ
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 湯沢源流は、水量が少なく、靴の中を水に濡らすことはないが、むき出しの巨岩が谷を埋めており、その巨岩を乗り越えて進まなくてはならない。

湯沢源流
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岩を乗り越え・・・
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 紅葉は、山の尾根ではすでに終わっているものの、V字谷の谷底では、色鮮やかな紅葉を楽しむことができた。

湯沢源流の紅葉
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 湯沢の水量は少なく、「抱き返しの滝」もまったく迫力がなかった。

抱き返しの滝を「グニャグニャ梯子」を使ってトラバース
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 抱き返しの滝の上部からは、再び湯沢を遡行する。

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 巨岩の間をすり抜け・・・
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 沢をへつり・・・
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 篭岩山までのルートは、赤や黄のマーキングテープと踏み跡を見失わないようにすればまようことはないと思う。

 沢から離れ、植林されたスギ林の急斜面を登り詰めると篭岩山へ続く尾根へ出る。
 ここから篭岩山までは、ササ林の中を一気に急登する。

 篭岩山山頂には3等三角点が置かれており、北側の男体山方面の眺望が良い。
 また、少し南へ進めば眺望抜群の露岩帯がある。

篭岩山山頂:奥に見える三角形の山が男体山
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 篭岩山からは、上山ハイキングコースへ出て篭岩駐車場へ戻ることになるが、この間が一番の難所で、垂直に近い岩壁をクサリやロープを頼りに、2回ほど登ったり下りたりしなくてはならない。

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 上山ハイキングコースへ出れば、もう危険な箇所はなく、駐車場まで快適に歩くことができる。
 紅葉の方はすでに終盤を迎えていた。

上山ハイキングコースの紅葉
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