美ヶ原
長野県のほぼ中央、標高2000メートル程に高さに位置する平坦な台地状の高原で、日本百名山にも選ばれている美ヶ原を訪れた。
美ヶ原は東西4キロ、南北8キロに広がる高原のなかに、2034メートルの玉ヶ頭や2008メートルの玉ヶ鼻など幾つものピークを持っている。
深田久弥は、その著書「日本百名山」で、「全く、桁が外れて広い。美ヶ原の範囲はどこからどこまでを指すのか知らないが、南の茶臼山から北の武石峰まで、広濶な山上の草原が、果てしもないように続いている。さあ、どこでも買ってにお歩きなさい、といった風に続いている。」と記しているが、まさにその広さと眺めには脱帽である。
現在は、美ヶ原牧場として、また最高地点の玉ヶ頭にはホテルと電波塔が立ち並んでいるため、幾ばくかの目印がないではない。
また、遭難防止のために立てられた美しの塔も美ヶ原のシンボルとなっている。
最高地点の玉ヶ頭に立つ玉ヶ頭ホテルと電波塔(まるで要塞のよう…)
玉ヶ頭より更に西に進むと、北アルプスが一望できる好展望地の玉ヶ鼻(2008メートル)へ出るが、途中、カラマツの美林や、八ヶ岳や富士山を望むことができる。
玉ヶ鼻からの北アルプスの眺めは圧巻である。
深田久弥も「以前松本平の人々は、美ヶ原を東山、北アルプスを西山と呼んだそうだが、その西山の最重要部分、槍、穂高の連嶺を、東山からまざまざと眺めることが出来る。その豪快な山容を鑑賞するのに、最も適した距離である。その眺めに呆然としてから、目を他へ移すと、別の多くの山々が我も我もと名乗りをあげてくるのに接するだろう。」と記している。
また、古くは山岳信仰の地として祀られ、立ち並ぶ石像はすべて御嶽山の方角を向いている。
美ヶ原の広さと眺めは素晴らしかったが、風を遮るものが何もないため、その寒さは半端がなく、リュックの中の水は数時間のうちにすべて凍りついていた。
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