頸城山系 火打山へ
新潟県頸城山系の最高峰(標高2462メートル)で、日本百名山の火打山を訪れた。
今年の紅葉は例年に比べて1週間程早いと言われているが、その言葉のとおり火打・妙高の山域では、高谷池や天狗ノ庭周辺で見頃を迎えている。
登山口は、上信越道妙高高原ICから30分ほどの笹ヶ峰登山口。
笹ヶ峰キャンプ場前に、トイレの整備された大きな駐車場ががあり、道路を隔てた反対側に登山口がある。
笹ヶ峰登山口
登山口をくぐり、ブナやシラカバなどの明るい落葉樹林帯の中に整備された木道を、ゆったりと登っていく。
黒沢に架かる橋を渡ると、一気に急勾配の山道となる。
「十二曲がり」と呼ばれるつづら折りの急登を過ぎると稜線上の尾根歩きとなり、やがて大シラビソの樹林帯を抜けると、妙高山への分岐となる「富士見平」へ着く。
富士見平の分岐は左手の岩がごろごろする道をたどって高谷池へ向かう。
途中の木々の切れ間から、左手に北アルプスの白馬連山の向こうに剱岳が顔をのぞかせているのが見てとれる。
やがて、左手に山上の別天地のようにひろがる紅や黄が鮮やかな「高谷池」や、その背後にはこれから向かう火打山や今なお噴煙をあげる焼山がそびえている。
高谷池にある「高谷池ヒュッテ」は、妙高市営の、冬期を除き小屋番が管理する山小屋で、20張程度のテント場も隣接されている。ピストンの登山者にとっては、唯一トイレを借りることができ、小休止に持ってこいの場所である。この日は、紅葉が見頃を迎えたということで、小屋もテン場も満杯のようだった。
高谷池ヒュッテから、錦秋の高谷池を回り、高谷池を振り返りながら標高を上げていくと、草地の中に岩の点在する庭園のような台地へ出る。
正面にそびえる火打山に、木道が吸い込まれるようで美しい。
台地からいったん下降すると、眼下には火打山を背にした「天狗ノ庭」が広がる。
点在する池塘には火打山が逆さ火打となって写りこみ、金色に輝く湿原の草紅葉とあいまって随一の美しさを見せてくれる。
天狗ノ庭の景観を楽しんだら、後は山頂を目指すのみ。
山頂への尾根から振り返ると、天狗ノ庭と高谷池が眼下に広がっている。
山頂へ着いた時には、周辺にはガスがかかり、残念ながら眺望はゼロ。
晴れていれば、焼山と妙高山が迫り、北アルプスの大パノラマや日本海も望める大展望が楽しめるはずだったのだが・・・
山頂直下には、トリカブトやキンバイの仲間、シラタマノキを見ることができた。
笹ヶ峰の駐車場に前夜泊し、翌5:50分に火打山を目指し登山スタート。
およそ3時間で高谷池ヒュッテへ到着し小休止。高谷池から1時間半で火打の山頂へ。
復路は3時間半で笹ヶ峰登山口へ。
休憩を入れると8時間以上のロングコースでの疲れをとるために、登山口から下ったところにある杉野沢温泉苗名の湯へ立ち寄った。
(御嶽山の噴火のことを知ったのは自宅に帰ってからだった・・・)