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September 2014

2014.09.27

頸城山系 火打山へ

 新潟県頸城山系の最高峰(標高2462メートル)で、日本百名山の火打山を訪れた。
 今年の紅葉は例年に比べて1週間程早いと言われているが、その言葉のとおり火打・妙高の山域では、高谷池や天狗ノ庭周辺で見頃を迎えている。

火打山を背にした天狗ノ庭
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 登山口は、上信越道妙高高原ICから30分ほどの笹ヶ峰登山口。
 笹ヶ峰キャンプ場前に、トイレの整備された大きな駐車場ががあり、道路を隔てた反対側に登山口がある。

笹ヶ峰登山口
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 登山口をくぐり、ブナやシラカバなどの明るい落葉樹林帯の中に整備された木道を、ゆったりと登っていく。

 黒沢に架かる橋を渡ると、一気に急勾配の山道となる。
 「十二曲がり」と呼ばれるつづら折りの急登を過ぎると稜線上の尾根歩きとなり、やがて大シラビソの樹林帯を抜けると、妙高山への分岐となる「富士見平」へ着く。

大シラビソの林の中を行く
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富士見平分岐
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 富士見平の分岐は左手の岩がごろごろする道をたどって高谷池へ向かう。
 途中の木々の切れ間から、左手に北アルプスの白馬連山の向こうに剱岳が顔をのぞかせているのが見てとれる。

白馬連山と剱岳
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黄や赤が鮮やかな火打山への尾根道
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 やがて、左手に山上の別天地のようにひろがる紅や黄が鮮やかな「高谷池」や、その背後にはこれから向かう火打山や今なお噴煙をあげる焼山がそびえている。

焼山や火打山を背に広がる高谷池
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高谷池ヒュッテ
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 高谷池にある「高谷池ヒュッテ」は、妙高市営の、冬期を除き小屋番が管理する山小屋で、20張程度のテント場も隣接されている。ピストンの登山者にとっては、唯一トイレを借りることができ、小休止に持ってこいの場所である。この日は、紅葉が見頃を迎えたということで、小屋もテン場も満杯のようだった。

三角屋根が特徴てきな高谷池ヒュッテ
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高谷池の紅葉
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 高谷池ヒュッテから、錦秋の高谷池を回り、高谷池を振り返りながら標高を上げていくと、草地の中に岩の点在する庭園のような台地へ出る。
 正面にそびえる火打山に、木道が吸い込まれるようで美しい。

火打山を背にした日本庭園
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 台地からいったん下降すると、眼下には火打山を背にした「天狗ノ庭」が広がる。
 点在する池塘には火打山が逆さ火打となって写りこみ、金色に輝く湿原の草紅葉とあいまって随一の美しさを見せてくれる。

天狗ノ庭
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 天狗ノ庭の景観を楽しんだら、後は山頂を目指すのみ。
 山頂への尾根から振り返ると、天狗ノ庭と高谷池が眼下に広がっている。

火打山山頂直下から見る高谷池と天狗ノ庭
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 山頂へ着いた時には、周辺にはガスがかかり、残念ながら眺望はゼロ。
 晴れていれば、焼山と妙高山が迫り、北アルプスの大パノラマや日本海も望める大展望が楽しめるはずだったのだが・・・

火打山山頂(標高2462メートル)
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 山頂直下には、トリカブトやキンバイの仲間、シラタマノキを見ることができた。

キンバイの仲間?
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トリカブト
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 笹ヶ峰の駐車場に前夜泊し、翌5:50分に火打山を目指し登山スタート。
 およそ3時間で高谷池ヒュッテへ到着し小休止。高谷池から1時間半で火打の山頂へ。
 復路は3時間半で笹ヶ峰登山口へ。

笹ヶ峰の駐車場(帰りに撮影)
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 休憩を入れると8時間以上のロングコースでの疲れをとるために、登山口から下ったところにある杉野沢温泉苗名の湯へ立ち寄った。

 (御嶽山の噴火のことを知ったのは自宅に帰ってからだった・・・)

 

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2014.09.14

越後駒ヶ岳

 越後駒ヶ岳は、八海山、中ノ岳を従える越後三山の主峰で、別名魚沼駒ヶ岳とも呼ばれ、日本百名山にもその名を連ねる標高2003メートルの名峰である。

道行山ピークから見る越後駒ヶ岳
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 登山口は最も人気のあるという枝折峠から。
 枝折峠へは、シルバーラインで一度銀山平へ出てから、国道352号線を戻るのが楽な行き方となる。
 
 三連休ということもあってか、車中泊の登山者が多く(自分も含め)、駐車場は前日の夕方からすでに満車となっていた。

枝折峠登山口駐車場
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枝折峠からの夕日
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 枝折峠からスタートするとすぐに展望が開け、枝折大明神の祀られている明神峠から道行山、小倉山と、左手に銀山平や奥只見湖、荒沢岳を、そして正面には駒ヶ岳を眺めながらの尾根歩きとなる。

尾根から見下ろす銀山平
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荒沢岳
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 越後駒ヶ岳の美しい山容を眺めながらアップダウンを繰り返す。

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 登山道沿いには、リンドウやコゴメグサなどの花を見ることができた。

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タツナミソウ?
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 尾根道は次第に急登となり、やがて急な岩稜帯を登ると、山頂手前にある駒ノ小屋に出る。

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 左手には沢の原頭に残る雪渓が見える。
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駒ノ小屋
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 駒ノ小屋の水場は、右手に3分ほど下ったところにある。
 小屋の周辺ではトリカブトやアザミが花を咲かせていた。

トリカブト
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 駒ノ小屋の背後には、駒ヶ岳山頂部の草原が広り、黄色く色づきだした山の斜面は、早い秋の訪れを感じさせてくれる。

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 小屋の脇から尾根道をたどり、稜線を右へたどれば山頂へ出る。
 山頂は広くはないが、多くの石碑や銅像、三角点が置かれている。

山頂への尾根道から見下ろす駒ノ小屋
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山頂へ続く稜線(奥のピークが山頂)
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越後駒ヶ岳山頂
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 久しぶりに登場・・・・・・ここまで5時間以上、疲れてます。
 残念ながら山頂はガスにおおわれ眺望はゼロ。この後4時間かけて下山。
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2014.09.13

奥只見 銀山平

 開高健の小説「フィッシュ・オン」に記されるなど、釣り師の間では有名な、新潟県奥只見の銀山平を訪れた。

開高健記念碑
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 その「フィッシュ・オン」には、銀山平のことをこう記している(開高健が実際に銀山平を訪れたのは1970年、昭和45年)。

 「新潟県北魚沼郡湯之谷村銀山平というところは上越線の小出駅でおり、・・・・・・山をぐるぐると巻きながら雲のなかへ入っていくと標高1200メートルか1300メートルか、枝折峠というちょっと凄みのある峠に達する。そこからまた500メートルほどをぐるぐる巻きながらおりていくと、林に靄が流れている、湖水の光る小さな盆地にたどりつく。この道のどこかに一点があって、雲や光線のいくつかの偶然がうまく手伝ってくれた黄昏だと、湖岸いったいがちょうど荒涼としてスコットランド高地地方にそっくりと映ることがある。」

枝折峠付近から見下ろす銀山平
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 さらに・・・・・・

 「銀山平は一年のうちでほぼ半年近くが雪で覆われる。電気も、ガスも、水道もない。年賀状が五月に配達される。電報や郵便物は速達配達区域外になっているので麓の村から便があったときに持ってくる。コゴメ、ミズナ、ワラビ、ゼンマイ、フキのとう、ナメタケ、ヤマブドウなど、山菜は豊富に発生するが季節をすぎると食料は何もかもを小出の町までトンネルを十八もくぐって自動車で買い出しにいかなければならない。」

 現在の銀山平は、2001年(平成13年)に、銀山平森林公園内に各宿が移転し、開高健が逗留した「村杉小屋」も「フィッシングハウス村杉」を経て「村杉」として営業している。
 また、関越道小出ICから、奥只見シルバーラインを通ることで、ぐるぐる巻きながら枝折峠を通る必要がなくなった。もちろん電気もガスも水道も通っている。

銀山平森林公園
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白銀の湯
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 ただ 「枝折峠からおりていくと湖岸に五、六軒の小さな宿と飯場小屋があるほかは人工物が何も見えないので・・・・・・」といった状況はあまり変わっていないのではないだろうか。
 人工物といったら、奥只見湖畔の船着き場とお土産屋、国道352沿いの数軒の宿、銀山平森林公園内の六軒の宿と「白銀の湯」、そして北ノ又川沿いの開高健記念碑と監視小屋。
 いわゆる集落というものが見当たらない。

 そして北ノ又川の流れも当時のまま流れているのだろう。

北ノ又川
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