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July 2015

2015.07.19

朝日連峰の主峰 大朝日岳

 山形と新潟の県境近く、東西30キロ、南北60キロといわれる広大な山々がひしめく朝日連峰。その盟主が今回訪れた大朝日岳(標高1870メートル)だ。
 戦国時代には「朝日軍道」と呼ばれる軍事用の間道が敷かれていたという歴史ある山で、深田久弥の日本百名山にも選ばれている山形の名山である。

大朝日岳
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 登山口は、大朝日岳に至る最短ルートの古寺鉱泉登山口。
 前夜泊した駐車場も、朝の4時半の時点でほぼ満車状態、古寺鉱泉ルートの人気の高さを示している。
 駐車場からは、沢沿いの道を数百メートル歩き、古寺鉱泉を目指す。

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古寺鉱泉
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 古寺鉱泉の裏の尾根をジグザクに登って行く。
 尾根に出ると、おおきなヒメコマツ(キタゴヨウ)が並んで生えており、ヒメコマツの尾根と呼ばれている。

巨大なヒメコマツの生える尾根
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 途中、ヒメコマツとブナが合体したユニークな木があり「合体の樹」と標示されている。
 ブナの巨木がヒメコマツを抱えるように立っている。

合体の樹
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 ヒメコマツの回廊は、やがてブナなどの広葉樹の樹林となり、このコース最初の水場である「一服清水」へ出る。
 一服清水からほどなく、ハナヌキ峰分岐となり、日暮沢小屋からの登山道と合流する。
 ここからは、古寺山の山頂を目指し、樹林帯のなかの苦しい急登となる。

 途中、三沢清水と呼べれる水場に到着するが、水場から古寺山山頂までは、およそ20分である。

古寺山山頂(標高1500メートル)からの朝日連峰
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 古寺山山頂から小朝日岳に向かう稜線上には、いろいろな花が咲いており、疲れを忘れさせてくれる。

ヒメサユリ(終わり)
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ハクサンチドリ
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ノウゴウイチゴ
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ニッコウキスゲ
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 後ろを振り返れば、古寺山の後方に月山がハッキリと見える。

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 小朝日岳の巻道を経由して、小朝日岳と大朝日岳の鞍部である「熊越え」へ。
 ここからは、稜線の花々を愛で、正面に大朝日岳を望みながらの快適な稜線歩きとなる。

小朝日岳の巻き道
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 熊越えからの稜線上は、有名な風の通り道となっているらしく、当日は台風11号の余波もあって凄まじい風が吹き抜けており、耐風姿勢を取りながら、体を風にもっていかれないようにしなければならなかった。風に耐えきれず、ここで引き返すグループをあった程だ。

熊越えから大朝日岳へ向かっての稜線歩き
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ハクサンシャジン
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タカネマツムシソウ
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ミヤマリンドウ
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 大朝日岳へ向けての長い登りとなる直前で、「銀玉水」と呼べれる水場に着く。
 ここから、右手の大きな雪渓を見ながらの登りとなるが、チングルマやイワカガミなどが遅い花を咲かせていた。

豊かに残った雪渓
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銀玉水のすぐ隣で咲くシナノキンバイ
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チングルマ
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イワカガミ
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アオノツガザクラ
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 山頂へ向かって高度を上げるにつれ、ハイマツ帯となり、ヒナウスユキソウの群落が現れる。

ヒナウスユキソウ(いわゆるエーデルワイス)
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 朝日嶽神社奥の院を過ぎると、いよいよ大朝日避難小屋へ到着する。
 小屋の周囲はお花畑となっており、ハクサンフウロなどが花を咲かせていた。

朝日嶽神社奥の院
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朝日嶽神社奥の院からの朝日連峰(最奥が以東岳)
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朝日嶽神社奥の院からの大朝日岳
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大朝日小屋
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 小屋から山頂までの登りでは、ヒナウスユキソウやヨツバシオガマが目立っていた。

ヨツバシオガマ
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 古寺鉱泉を出発したのが4時45分、およそ5時間をかけて大朝日岳山頂へ到着した。
 頂上からは遮るもののない大展望を楽しむことができた。

大朝日岳山頂
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山頂からの眺望(朝日連峰縦走ルート、最奥が以東岳)
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西朝日岳方面
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小朝日・古寺山ルート(本日のコース)
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西へと伸びる尾根
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 山頂からは往路を戻るが、古寺鉱泉の駐車場へ着いたのが、2時45分であった。
 休憩時間もふくめ、ちょうど10時間かかったことになる。

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2015.07.04

会津朝日岳(あいづあさひだけ)

 尾瀬の北側に広がる駒・朝日山群と呼べれる手つかずの山塊の北端に位置し、日本200名山にも選ばれた会津の名峰、会津朝日岳(標高1624メートル)を訪れた。

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 あいにくの梅雨空模様のなか、赤倉沢登山口に車を駐め、いつもより遅めの7時45分に山頂目指して登山を開始したが、未明から早朝にかけて豪雨になったようで、赤倉沢は濁流が勢いよく流れていた。
 途中で、6時前に豪雨のなか出発したという登山客が、数組、上流で赤倉沢を徒渉できなかったと引き返してきた。

倉沢登山口(車10台程度駐車可 無料)
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豪雨で濁流が流れる赤倉沢を数度徒渉する(問題なく徒渉できた・・・)
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 赤倉沢には残雪が残っており、立派なスノーブリッジが・・・

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 残雪が溶けたばかりの所には、早春のカタクリが咲いている。7月のこの次期にカタクリの花を見ることができるとは思ってもいなかった。

カタクリ
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オオバキスミレ(?)の群落も・・・
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 赤倉沢を何度か徒渉し、三吉ミチギと呼ばれる水場を過ぎると、ジグザグの急登が叶ノ高手まで延々と続いている。

 九十九折りの急登を終え、岩尾根上を登り詰めると、叶ノ高手(かのうのたかて)に着く。
 ここは、会津朝日岳手前の小ピークで、ここまで登って初めて朝日岳が姿を現す。
 また、ピーク直下には2本のクロベの巨木がそびえている。

大クロベの巨樹
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 叶ノ高手からいったん熊の平まで下る。
 熊の平の池(名前はない)では、木に生みつけられたモリアオガエルの卵塊が見られた。

モリアオガエルの卵塊
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 また、熊の平には避難小屋があるが、近くでは、ツバメオモトやサンカヨウが咲いていた。

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ツバメオモト
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サンカヨウ
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 避難小屋から再度登り返し、残雪の残った山頂直下の絶壁を登り詰めれば、会津朝日岳の山頂稜線に出る。
 やせた稜線を右にたどれば山頂である。

雪渓(残雪)を登る
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 シラネアオイが群生していた。

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 頂上付近にはヒメサユリの花が美しく咲いていた。

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 この他にも、ショウジョウバカマやツマトリソウ、イワカガミ、ミヤマクワガタなどが咲いていた。

ツマトリソウ
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ミヤマクワガタ
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 会津朝日岳の山頂
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 残念ながら、山頂からの眺望は雲に遮られて全くなし。
 早々に下山した。

 7:45 赤倉沢登山口 → 10:15 叶ノ高手 → 11:50 朝日岳山頂 
 → 15:15 赤倉沢登山口 

 7時間30分(休憩込み)の行程だった。疲れた~

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