那須 三斗小屋温泉へ
那須岳の懐深く抱かれ、歩いてしか行くことのできない秘湯「三斗小屋温泉」を訪れた。
三斗小屋温泉は、那須岳の西、標高1460メートルに位置し、1142年に発見されたといわれている。現在は、煙草屋と大黒屋の2軒が営業している。
那須ロープウェイ乗り場より上にある峠の茶屋県営駐車場に車を駐め、まずは主稜線上にある峰の茶屋避難小屋を目指す。
那須岳登山口
右手に標高1896メートルの朝日岳、左手に那須岳主峰の茶臼岳を望みながら、谷沿いのゆるやかな傾斜の登山道を茶臼岳をまくように登って行く。
途中に雪渓が残っていたが、例年よりはだいぶ少ないようだ。
峰の茶屋避難小屋から進路を右手にとり、主峰茶臼岳を背に、岩稜の朝日岳へ登る。
朝日岳の手前は、岩稜帯の鎖場となっている。
朝日岳山頂からは雲に遮られて眺望が得られなかった。
山頂から主稜線まで戻り、三本槍岳方面へ進むと、熊見曽根分岐に出る。
熊見曽根分岐
熊見曽根分岐からは主稜線を離れ、隠居倉方面へ一気に下降する。
右手には、三本槍岳(標高1917メートル)や大峠、流石山などの山並みが見渡せる。
隠居倉(標高1819メートル)
隠居倉から三斗小屋温泉まではひたすら下る。
三斗小屋温泉手前では蒸気が噴き出している源泉地を見ることができる。
源泉地を過ぎると、登山道の横で春の山の花を目にするようになる。
イワナシ
マイヅル草
エンレイソウ
花をさがしながら歩いていると、あっという間に三斗小屋温泉に着いてしまった。
三斗小屋温泉裏手の高台にある温泉神社
温泉神社から温泉までは、深山の植物がいろとりどりの花を咲かせていた。
ミヤマスミレ?
登山口からおよそ3時間弱で、三斗小屋温泉へ到着。
煙草屋と大黒屋の2軒の温泉小屋があるが、どちらも日帰り入浴はやっていない。
煙草屋
大黒屋
三斗小屋温泉からは、比較的歩きやすい登山道を那須岳避難小屋を経て、峰の茶屋跡避難小屋へ向けて登り返す。
途中に延命水という水場があるが、この周辺でも深山の花を楽しむことができた。
特に、サンカヨウ(ほとんどが蕾みだった)が群生していたのには驚いた。
ヒメイチゲ
サンカヨウ
スタートしておよそ4時間半で、峰の茶屋跡避難小屋へ。
避難小屋からは30分で駐車場へ戻ることができた。