出羽三山詣 －月山 湯殿山－

　出羽三山信仰では、死後の世界を表す月山（1,984㍍）を訪れた。
　月山に咲く高山植物を愛でながら、山頂にある月山神社を参拝する。

　月山スキー場のリフト乗り場の駐車場（姥ヶ岳駐車場）に車を駐めスタート。
　ちょうどこの日は、月山夏スキーの最終日ということもあってか、混雑していた。

　ペアリフト乗り場（リフト下駅）へ

　リフトに乗って

　青空の下、姥ヶ岳が見える。

　まずは、リフト上駅へ

　月山の遙拝所がある。

リフト上駅からの姥ヶ岳

　まずは姥ヶ岳山頂を目指す。

　歩きだしてすぐに高山植物のお出迎え。

コバイケイソウ

　月山を見上げると、空模様が怪しい・・・
　山頂に雲がかかりだしている。風も強そうだ。
　天気が下り坂であることを示す笠雲だろうか。

 

　姥ヶ岳の山頂直下には、雪田が残り、雪融けした周囲には高山植物が咲いている。

ヒナザクラ

ニッコウキスゲ

キンコウカ

一面のキンコウカ

　キンコウカの群落の地面をよく見ると、ミヤマリンドウがあちこちに咲いている。

ミヤマリンドウ

　姥ヶ岳山頂直下の雪田

姥ヶ岳の山頂

　残念ながら、姥ヶ岳山頂も雲に包まれた。
　月山を仰げば・・・雲に飲み込まれている。

　姥ヶ岳の山頂からは、牛首を経て、月山山頂へ。
　天気がどんどん悪くなる・・・

タテヤマウツボグサ
  

チングルマの綿毛

ウメバチソウ

ミヤマウスユキソウ

ハクサンイチゲ

これは？シオガマの仲間だろう。

ナンブタカネアザミ

　牛首周辺に巨大な雪田が残り、多くのボーダーが楽しんでいる。

 イワカガミ

アオノツガザクラ

チングルマ

ミツガシワ

コバイケイソウ

ツガザクラ

ウサギギク

ハクサンフウロ

ジュウモンジソウ

　鍛冶小屋手前にある「延命地蔵」

鍛冶小屋跡

　山頂へ続く尾根にでるとハクサンシャジンなども咲いている。

ハクサンシャジン

ハクサンイチゲ

ハクサンフウロ

　頂上直下の避難小屋

　月山神社

　神社境内は写真撮影が禁止となっている。
　異空間・・・

　お祓い・祈祷をしていただいた。

　復路は牛首から直接リフト上駅へ

ミツバノバイカオウレン

ヒナザクラの群生

　リフト上駅へ

　月山から下山し、すぐに湯殿山へ向かう。
　湯殿山は境内は撮影禁止。
　月山神社にもまして神秘性ただよう異空間だった。

出羽三山詣－羽黒山－

　出羽三山は、羽黒山（414㍍）・月山(1,984㍍）・湯殿山(1,504㍍）の三山の総称。
　羽黒山が現世、月山が死後、湯殿山が再生を意味し、「生まれ変わり」の山として古来から信仰を集めている。

　まずは現世の幸せを祈願するため、羽黒山へ。

大鳥居

　参道入口に立つ大鳥居をくぐり、朱塗りの随神門へ。
　明治以前、神仏混淆時代は仁王門であったとのこと。

随神門

　随神門より本殿まで、羽黒山の石段が続く。
　石段は、2,446段、約２キロ、およそ１時間の登りとなる。

　随神門から石段を若干下ると、いくつもの社が祀られている。

　社を過ぎると朱塗りの神橋へ

　「祓川」を渡り、須賀の滝へ
　古来、いわゆる祓の場で、ここで身を清めて参拝したようだ。

　石段を少し進むと、まず圧倒されるような巨木に出会う。
　「爺（じじ）スギ」と呼ばれ国天然記念物となっている。
　樹齢がおよそ千年以上、羽黒山で最大最古の巨木である。

爺スギ

　爺スギの奥に建つのが、「国宝　羽黒山五重塔」
　平安時代、平将門公の創建と伝わり、柿葺（こけら）、三間四方、五層素木造で、東北最古の建造物と言われている。

国宝　羽黒山五重塔

　五重塔を過ぎると、杉並木の中の登りとなる。
　この羽黒山杉並木は。樹齢３００年～５００年、４００本余りの特別天然記念物となっている。

　途中に茶屋が一軒ある。

　

 

　本殿手前（山頂手前）の石段には、いにしえの人の「落書き？」がある。

山頂鳥居

　山頂鳥居をくぐると、本殿へ出る。

　約1,400年前に、崇峻天皇の御子、蜂子皇子によって開山された羽黒修験道の総本山。
　境内には、重要文化財の本殿「三神合祭殿」、蒙古襲来の平定祈願の奉賽として鎌倉幕府より奉納された「建治の大鐘」など多くの文化財、史跡がある。

三神合祭殿

　羽黒山、月山、湯殿山の神々を祭っている。

建治の大鐘

鏡池

　さぁ、次は月山へ

花の平標山

　登山口駐車場へ前夜泊、自分勝手に楽しむためには早起きが鉄則と、午前４時半頃には行動開始！

　登山口から、まずは鉄塔立つ４合目を目指して、樹林帯を急登、一気に標高を稼ぐ。
　危険な箇所はないが、急登に汗が噴き出す。

　４合目、鉄塔が建つ場所が小休止の第一ポイント
　苗場スキー場が一望できる。

　４合目を過ぎる頃から、おなじみの高山植物たちが顔を出す。

ツクバネソウ

ユキザサ

ツマトリソウ

シャクナゲ（アズマシャクナゲ　or　ハクサンシャクナゲ）

　６合目　松手山（標高1613.8メートル）へ到着。山頂は眺望に優れ、特に苗場山の独特の山容が目を惹く。
　三等三角点も置かれている。

　松手山から平標山へは、気持ちの良い稜線歩きとなる。

松手山山頂の後ろに苗場山

　７合目付近、平標山へ向かう稜線上にトレイルは続く。

　高山植物の花々が出迎えてくれる。

オオバギボウシ

オノエラン

ハクサンチドリ

ハクサンフウロ

　花々を愛でながらの稜線歩き。
　目指す平標山の頂はまだ遠い。

　稜線上にコバイケイソウが咲いていた。

　歩いてきたトレイルを振り返ると、苗場山方面に怪しい雲が･･･

　この高山植物の名前は何だろう？
　なんとなくイチヤクソウにも似ているが・・・

　やっとのことで平標山の山頂直下へ
　目の前の頂が平標山の山頂だあ！

平標山の山頂

　山頂で休憩していると、苗場山方面から雷鳴が聞こえだした。
　仙ノ倉へ行くのをやめて、山ノ家方面へ下山することにした。

仙ノ倉山

　平標山から平標山ノ家までの間も、可憐な花々との出会いを楽しめる。

イワカガミ

タテヤマリンドウ

　山ノ家へ向けて急な階段を慎重に下る。苗場山方面の雷鳴は徐々に大きくなる。
　それにしても、この山は階段が多くて疲れる。

タニウツギ

トキソウ

ワタスゲ

ゴゼンタチバナ

　平標山ノ家へ到着と同時に、大粒の雨が降り出した。
　ザックにレインカバーをかけ、急いで下山する。

　山ノ家からは、大粒の雨に打たれ、頭上には雷鳴響く中の下山となった。

　ハクサンイチゲやハクサンコザクラが盛りの頃と違った山歩きが楽しめた。