栃木と茨城の県境尾根である、雨巻山・高峰・仏頂山を縦走した。
スタートは雨巻山登山のべースである大川戸駐車場。
まずは西の尾根にあたる三登谷山(標高433メートル)を目指す。
三登谷山の山頂には、テーブルとベンチが置かれ、日光連山や高原山の眺望が素晴らしい。
三登谷山の山頂

日光連山の眺望
三登谷山の山頂から、西側の尾根伝いに雨巻山の山頂へ。
途中、2ヶ所程、ベンチの置かれた富士山が望める展望地がある。

左奥に筑波山が小さく見える
雨巻山の山頂(標高533メートル)は、意外と開けているので、休憩適地。
雨巻山山頂
雨巻山の山頂から、南へ下り始めると、すぐに「展望台」に遭遇する。
展望台
この展望台、周囲の木々が生長し、まったくの展望なし。
展望台を後にし、深沢峠まで急な斜面を一気に下降する。
急斜面と落ち葉とで、何度もスリップし、転倒しそうになった。
標高398メートルピークには、国土地理院の三角点、文久の年号の入った大きな石の祠が祀ってあった。
三角点

文久二(1861年)が見て取れる大きな石造りの祠「浅間宮」:屋根が落ちている
雨巻山から深沢峠めでのルートは「富士見コース」と呼ばれており、昔は富士山を望むことができたのだろう。
石の大きな祠は、後で確認すると「浅間宮」のようだ。なるほど。
高峰山との鞍部にあたる「深沢峠」、今は県道286号線が走る鋪装道路だが、峠へ出たら左へ少し下る。
道路沿いに案内板があるので、その林道(鋪装路)を右へ入っていくと高峰山への入口がある。
深沢峠

高峰山への入口(左の階段から入山)
ここから高峰山を経て仏頂山への登山路には、やたらと長く急な階段が整備されている。
整備をしてくれた方々には申し訳ないが、疲れている登山者の登坂意欲をなえさせるには十分な威力がある。

高峰山の山頂手前には、パラグライダー(ハンググライダー)の飛行台があり、筑波山方面の好展望地となっている。
見晴らし、陽当たり抜群で、ずっと横になっていたい素晴らしい場所だ。
コース上随一の休憩スポットからの見晴らし(右に加波山、奥に筑波山)
飛行台から山頂まではすぐ。
国土地理院の三角点と、一台のテーブルが置かれており、眺望ははぼゼロ。
高峰山の山頂
ここから途中、奈良駄峠を経て、仏頂山を目指してのアップ・ダウンとなる。
やはり急階段には泣かされる。

桃太郎石?
やがて標高430メートルの仏頂山の頂へ!眺望はゼロ。
仏頂山
仏頂山麓の楞厳寺まで下山する。

山麓(楞厳寺境内地)には、鎌倉時代から18代にわたってこの地を治めた笠間氏累代の墓や、室町中期の創建といわれている「竟堅門」と呼ばれる山門もあり、疲れ切った登山者の心を癒やしてくれる。


木々の葉が落ちきっており、林床にも冬の陽射しが入るので、おおむね明るい雰囲気の中を歩くことができた。
登山道も明瞭で道迷いの心配はない。
特に高峰山頂付近のグライダー飛行台は一日でも過ごせるほど雰囲気の良い場所だった。
ただ、高峰から仏頂の間に頻繁にあらわれる「急な階段」に体力が奪われてしまう。
およそ14キロ程だろうか? 大川戸駐車場から楞厳寺山門まで、休憩を入れて5時間30分程の行程だった。