青森県 八甲田山(1,584メートル)を訪れた。
天気予報では晴れだったが、登山口の酸ヶ湯温泉上部の大駐車場へ着くころにはすっかり雲に包まれた。
酸ヶ湯温泉上部の無料駐車場は、トイレ・情報センターが整備され、道路を挟んで登山口がある。
駐車場の混雑を予想していたが、天候のせいもあるのだろうか、朝8時の時点でも1/3程度の埋まり具合。
キャンプ場も新設されていた。

八甲田を覆うガスに変化はなく、いっこうに晴れる様子がないが、天候の回復を期待しつつ歩きだす。
ブナやダケカンバの樹林帯のなかを緩やかに登っていく。
途中、火山ガスのため草木が生えない場所の横を抜ける。

樹林帯を抜け、沢沿いに登っていく。沢沿いに吹く風が冷たく、体が一気に冷える。

沢沿いの礫地から木道の敷かれた湿原へ出る。仙人岱湿原だ。草紅葉が美しい。


仙人岱ヒュッテへ立ち寄り、休憩する。
ヒュッテと称しているが、昔ながらの伝統的“避難小屋”である。
トイレが整備されていてありがたいが、これも古式ゆかしき伝統的“厠”である。

ほんの一瞬、ガスがきれ、日の光が差すと、周囲の景観は一変する。
木々の紅葉にさきがけ、湿原の草紅葉が美しく輝く。

木道の前方に小岳、左手の大岳も一瞬だがその姿を見せてくれた。

天候回復を期待しながら先へ進むが、標高が上がるにつれガスに包まれる。

森林限界を超えると、火山礫の急登となる。
山頂へ近づくにつれ、暴風と寒さが増し、全く眺望はなし。

山頂は思ったより広い。好天なら絶好の展望地なのだろう。
残念ながら前回訪れたときも全く眺望は得られなかった。なかなか思うようにはならないものだ。

頂上はたっていられないほどの強風で、そうそうに下山する。
下山は登ってきた道と反対方面へ降りる。
急な下りが一段落すると、避難小屋のある平坦地へでる。
ここまで降りてもガスに包まれ、周囲の様子はわからない。
ベンチが数多く設置されているところをみると、好休憩地なのだろう。

しばらく背の低いハイマツなどの樹林帯の中を進むと、草紅葉が素晴らしい湿原(毛無岱)へでる。


やっとのことガスからは抜けたので、先へ続く木道、草紅葉が輝いている。
ただし、後ろを振り返れば八甲田の山々はガスに包まれている。



上部の毛無岱を上毛無岱と、下部を下毛無岱と呼ぶが、上毛無岱から下毛無岱へと降りていくトレイルからの眺望がハイライト。


下毛無岱も草紅葉も素晴らしい。たどってきた道を振り返れば、ほんの一瞬だが八甲田山(大岳)がその全容をみせてくれた。




遠くに岩木山も望むことができる。

木道の上を先導してくれるクジャク蝶
この蝶は成虫(この姿のまま)越冬するそうです。すごい。

湿原をぬけ、ブナの樹林帯に入るとまもなくゴール地点の酸ヶ湯温泉へ到着する。




8時 登山スタート
9:45 仙人岱
11:00 八甲田山(大岳)山頂
11:30 避難小屋
12:00 上毛無岱
12:45 下毛無岱
13:40 酸ヶ湯温泉 ゴール
それにしても八甲田山には二度ともはね返された。
しかし毛無岱では素晴らしい草紅葉に出会うことができた。
自然ばかりはどうにもならない。
自然は厳しいことが多いが、時に安らぎを与えてくれる。